7.6キロ
7.6
「それで、メルザスさんの行きつけのお店はどこにあるのですか……?」
「しばらくかかるわ」
私は家を出て、彼女に案内されてお店へと歩いていく。
想像していたのは、駅の近くにあって大きなお店だと思っていた。
でも、メルザスさんについていくとなぜか列車に乗ることになってしまいました。
「あれ……?」
「職務乗車票で乗るからお金の負担は無いわよ」
最初に言われて持ってきたから、負担は無かった。
けれども、こんなに遠くの場所にあるなんて聞いていない。
「そうですけど……これ……絶対に行きつけじゃないでしょ……」
「行きつけよ」
オレンジ色のラインが入った気動車に乗って、隣の街へ。
途中には綺麗な草原があったけれども、私にとってはお腹が空いてきてしまってそんなことは気にもとめなかった。
「着いたわよ」
「やっとですか……」
何事もなく隣の街に着いて、レストランのある場所に。
幸いにもレストランのある場所は駅の近くだったから、動けなくなる前に着くことができて安心した。
さて、何を食べようか。
「いらっしゃいませ」
「は……はい……!」
レストランの中に入ると、ウェイターが挨拶をしてくれた。
私は緊張してしまって、ガチガチの声を出してしまう。
「予約したメルザスよ」
「お待ちしておりました。ではこちらに」
ウェイターは私達を『予約席』という札が置かれている場所に案内しました。
私は予約席に座ったことは無いので、余計に緊張してしまった。
メルザスさんは慣れているみたいで、平然としたまま。
「ご予約なさった、最高級コースを2人前でよろしいでしょうか?」
「もちろんよ」
「分かりました」
しばらくして、ウェイターが次々と料理を運んできました。
私はこんなシステムで料理を食べるのなんて初めてですから、緊張してしまいます。
「さあ、遠慮なく食べて」
「は、はい……」
まずは野菜がたくさん入ったサラダを口に入れる。
とてもシャキシャキとしていて、それにドレッシングが合っている。
次にスープを飲むことに。
熱かったけれども、ほんのり甘くてすぐに飲みきってしまった。
そしてフォークとナイフを使ってメインディッシュのステーキを食べていく。
噛む度に肉汁が溢れてきて、とても美味しかった。
「美味しい……」
「それは良かったわ」
「あの……」
こんなに高級な料理。
安いものだと思っていたから、私には払えない。
それでどうしようか悩んだ。
「支払いは私がするわ」
メルザスさんがそう言ったら、急に安心感が。
「あ、ありがとうございます……!」
遠い所だったけれども、こんなに美味しい食事を食べられるなんて。
しかもメルザスさんが支払ってくれるし、今日はいい日かな。
さあ、明日からまた仕事。
頑張らないと。




