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特別配達人舞衣  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)
5.1~6キロ:初の特急列車乗務
23/38

5.4キロ

5.4

3号車


「ご乗車ありがとうございます……お手持ちの乗車券・特急券を拝見致します……」


 やって慣れてきたというのもあって、喋りは少しだけ上手くなっている。

 まだ緊張はしますけれども。


「号車ごとに喋り方を変えていない?」


「そうですか……?」


「……さあ行くわよ」


「はい……」


 私は1号車2号車と同じように切符を見ていく。

 この3号車における最初のお客様はお年寄りの女性でしたが、普通に切符を見せてくれたのでスタンプを押して終わりました。

 私にとってはこれで良いですけれどね。

 その次のお客様は、白衣を着た学者の女性です「。

 恐らく、学術都市と言われているケンバラシアまででしょうね。姿からみたかなり決めつけですけれども。

 違ったら怒られそうですけれども。


「お客様……乗車券と特急券を拝見出来ますでしょうか……?」


「これね、はい」


 渡された切符はやはりケンバラシアまででしたが、この女性が持っていた特急券は指定席券でした。

 しかもこの列車です。

 間違えたのでしょうか。

 席番号は合っているので。


「メルザスさん……」


「どうしたの?」


「これ……」


 私はメルザスさんにどうすれば良いのかを尋ねました。

 しばらく彼女は悩んだ後……


「ならちゃんと言いなさい」


「分かりました……」


「あの……お客様……」


「どうしたの?」


「こちら指定席特急券ですけれども、こちら自由席です」


「あら?間違えたわ」


「もしよろしければ、この特急券に書かれている6号車のお座席へご移動いただいてもよろしいでしょうか」


「そうね、移動するわ。6号車はどちらに?」


「あちらです……」


「じゃあ」


 女性は6号車の方へ歩いていきました。

 今度は間違わないで行けるといいですね。

 次のお客様は若い男性のようです。

 渡されたのは今度も指定席特急券でしたけれども、指定されている列車が1本前でどうやら乗り遅れてしまったようですね。

 この場合は同じ日の自由席には乗れるようにはなっています。


「乗り遅れちゃったんだ……乗れるかい?」


「はい、大丈夫ですよ……ありがとうございます……」


 スタンプを押して返します。

 この号車における後のお客様は全員が普通に持っていて、スタンプを押すだけで済みました。

 さあ次の号車は指定席です。

 私達が切符の拝見を行う最後の号車。

 ちょっと雰囲気が変わりそうで変わらないかも……

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