2.3キロ
2.3
「とりあえずの乗務員として行うのは、グリサ駅を中心とした路線を走る特急列車よ」
私は交通事業の研修室で、メルザスさんにマンツーマンで教えてもらいながら勉強をしていきます。強気な口調ですけれども、可愛らしい声で捗りそうです。
内容はさっぱり分からない部分もあれば、なんとか分かる部分も……
言えるのは、難しい内容……
例えば、運賃の計算やルール……
それに乗務員として働くビジネスマナーまで……
殆どが鉄道の乗務員として働く内容。
大変です……
ちなみに、特別配達人としての内容は、殆どなかったりする。特別配達人として学ぶ事って、そんなに内容が少ないのかな……
まあ、時々やるのである程度はあると思う。
「そうなんですね……」
「ちゃんと聞いているの?」
「は、はい……」
聞いておかないと、かなり怒られそう……
とりあえず、メルザスさんが言った所のメモは取っておかないと……
これが2週間も続くと言われている……
大変かな……
「ところで話は変わるけど、どうしてこの世界の交通手段が鉄道なだけかは知っている?」
「あっ……えっと……」
「はっきり言いなさい」
「そ、それは……街の外には、私達を狙う獣とかモンスターとかが居るからです……それで襲われる心配のない鉄道が発達したって……」
「そうよ。よく分かっているじゃない」
「あ……ありがとうございます……」
この事は学校でもよく教わっている。
なんで聞いたのだろう……
もしかして、そんな事も分からないようなバカって罵るためだろうか……もしそうだったら、メルザスさんってひねくれているのでしょうか……
「誰が性格が悪いですって?」
「い、いえ……何でも……」
メルザスさんって、やはり考えていることが分かるのでしょうか……
とりあえず、考えないようにしましょう……
「じゃあ、特別配達人として、重要な部分は何かと思う?」
「わ、分かりません」
「それは依頼人や配達先に、必要以上の干渉をしないことよ」
「あの……それって……?」
「もしも、その人にとって危険なものだったとしても、届けるな、開けるなと言ったり、自身で開けたりしてはいけないということよ」
「どうして……ですか……?」
「信用を失うだけではなくて、この交通事業そのものに迷惑を掛けるからよ」
「分かりました……」
開けてはいけない。
それを覚えておかないと……
せっかく手に入れたこの仕事を失うのは嫌だから。
それにしてもメルザスさんは可愛いですね。
あっ、メルザスさんの顔が……
「な、何でもないわ!さっさと研修を続けるわよ!」
「は、はい……!」
うん、早く本番で働けるように頑張りましょう……!




