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特別配達人舞衣  作者: 奈香乃屋載叶(東都新宮)
2.1~3キロ:新しい街で
13/38

2.3キロ

2.3


「とりあえずの乗務員として行うのは、グリサ駅を中心とした路線を走る特急列車よ」


 私は交通事業の研修室で、メルザスさんにマンツーマンで教えてもらいながら勉強をしていきます。強気な口調ですけれども、可愛らしい声で捗りそうです。

 内容はさっぱり分からない部分もあれば、なんとか分かる部分も……

 言えるのは、難しい内容……

 例えば、運賃の計算やルール……

 それに乗務員として働くビジネスマナーまで……

 殆どが鉄道の乗務員として働く内容。

 大変です……

 ちなみに、特別配達人としての内容は、殆どなかったりする。特別配達人として学ぶ事って、そんなに内容が少ないのかな……

 まあ、時々やるのである程度はあると思う。


「そうなんですね……」


「ちゃんと聞いているの?」


「は、はい……」


 聞いておかないと、かなり怒られそう……

 とりあえず、メルザスさんが言った所のメモは取っておかないと……

 これが2週間も続くと言われている……

 大変かな……


「ところで話は変わるけど、どうしてこの世界の交通手段が鉄道なだけかは知っている?」


「あっ……えっと……」


「はっきり言いなさい」


「そ、それは……街の外には、私達を狙う獣とかモンスターとかが居るからです……それで襲われる心配のない鉄道が発達したって……」


「そうよ。よく分かっているじゃない」


「あ……ありがとうございます……」


 この事は学校でもよく教わっている。

 なんで聞いたのだろう……

 もしかして、そんな事も分からないようなバカって罵るためだろうか……もしそうだったら、メルザスさんってひねくれているのでしょうか……


「誰が性格が悪いですって?」


「い、いえ……何でも……」


 メルザスさんって、やはり考えていることが分かるのでしょうか……

 とりあえず、考えないようにしましょう……


「じゃあ、特別配達人として、重要な部分は何かと思う?」


「わ、分かりません」


「それは依頼人や配達先に、必要以上の干渉をしないことよ」


「あの……それって……?」


「もしも、その人にとって危険なものだったとしても、届けるな、開けるなと言ったり、自身で開けたりしてはいけないということよ」


「どうして……ですか……?」


「信用を失うだけではなくて、この交通事業そのものに迷惑を掛けるからよ」


「分かりました……」


 開けてはいけない。

 それを覚えておかないと……

 せっかく手に入れたこの仕事を失うのは嫌だから。

 それにしてもメルザスさんは可愛いですね。

 あっ、メルザスさんの顔が……


「な、何でもないわ!さっさと研修を続けるわよ!」


「は、はい……!」


 うん、早く本番で働けるように頑張りましょう……!

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