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特別配達人舞衣  作者: 東都新宮
1.1~2キロ:旅立ちまで
10/38

1.5キロ

1.5


「舞衣……舞衣!」


「あっ……はい……!?」


 私は大声によって、無理やり起こされてしまった。

 なんで今までで最も気持ちよく眠っていて、まだ眠っていたいほどかなり眠いのに、誰が起こそうとしているのだろうか……


「誰……?」


 まだぼやけている目に眼鏡を掛けて、見てみると……


「バルジさん……!?」


 クラスメイトが私を見ていたのだ。

 しかも私はあの檻の中に居た。

 もしかして、列車に乗ったのは死ぬ前に見た夢だったのかな……?

 あの黒髪の少女に助けられたのも、幻だったのかな……?

 だとしたら……

 私は……これから……


「気持ちのいい夢は見ることが出来た?」


「ええ……貴女たちに起こされなければ……ずっと見ることが出来たけれど……」


「あら?そんな事を言えるようになったのね」


 彼女たちの表情は、さっきまで笑っていたのが、私がちょっと嫌味を言った途端に、怒ったようなものになってしまった。

 しまった……

 言わなければ……


「じゃあ、また眠りにつきなさい」


「えっ……?」


 途端に警笛が聞こえた。

 見ると、遠くから汽車が見えているのだ。

 このままでは私は列車に轢かれて、命を落とすことになってしまう……

 誰か……助けて……


「やだ……死にたくない……」


「良いわよ、その絶望的な表情。素晴らしいわね」


「そんな……」


「じゃあ、バイバイ」


 その瞬間、私は高い警笛が耳に入ってきて、そのまま列車にぶつかった時の強い痛みとともに、意識を失ってしまったのであった……

 ああ……夢なら良かったのに……

 私が最期に思ったのは、それだった……

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