無傷な帝国の兵士では
ウルって、もしかして...
前書き担当 ラフィーヌ
「ウル!!何してんだ!!」
アリア姐さんが驚愕の表情を作り叫ぶ!!
いや、驚きたいのは俺の方だよ!!
だって、俺、さっき綺麗にズバって斬りつけれたんだぜ!?
なのに、なんでこの兵士は立っていられるだ!?
「ウル〜!!フルプレート装備が相手の時は、その防具の隙を狙うのですよ〜!!」
「いや!え!?えぇぇぇ!?」
防具の隙を狙うだと!?
俺の見ているアニメとか漫画とかは、そんな事を全然してなかったぞ!!
普通に何か流れているように剣を降って次々と倒れてたぞ!!
と、俺が斬りつけて無傷な鎧の兵士が剣を振り上げる!!
殺意を混じらせつつ、見下しの様子で!!
「どうやら、バカな奴が相手で助かったよ!消え失せろーーッッ!!!」
「しまっ...!!」
「ウルーーッッ!!」
俺に剣が近づいて来ているのを視界で捉えることができるものの、俺の足は動くことは無い。
いや、動くと言ってもそれは恐怖による震えでしかない。
俺はこの兵士の攻撃を...避けることはできない。
そう悟った。
....
まさか、もう、終わりか?
ん...?お前は?
覚えておらぬか?我の事を...。
覚えているも何も、姿が見えないし、聞こえて来るのは声だけ...それに、その声にも...。
違和感を感じると言うのか?
あぁ、エコーがかかっていると言うか...
ふっ、で、このまま避けなければ貴様は死ぬぞ?
それは分かっているが...身体が動かないんだ...
ならば、少し引っ込んでいろ。
....
辺りに高い金属音が鳴り響く!!
それは、武器と武器がぶつかった音である。
そのような音はこの戦場に置いては特に珍しい事ではない。
しかし、帝国の兵士が動けれない相手を斬りつけれた音ではない事は誰でも理解することが出来る!!
つまり、ウルは後ろから斬りかかってくる相手の攻撃を防いだのだ!!
「ウル!?あの状態から兵士の攻撃を防いだ
の!?」
ラフィーヌは驚きの声を上げる!!
その言葉が響いた後、周囲の人間の誰もが驚愕の声を出す。
その理由は正確には、ウルが帝国の兵士の攻撃を防いだ事だけではない。
1度、己の死を悟った表情を...諦めの表情を見せたのにも関わらず、剣が額に触れる瞬間に、剣で防ぐという技を見せたためだ。
戦場とは命の奪い合い。
生き残るために、自分以外の他人の命を奪う。
数々の戦場を駆けてきたものには、死を理解した人間の表情をいくつも見てきている。
その表情は即ち、勝者にしか見ることの出来ないものである。
それを見た時、確実な勝利をもたらされる。
しかし、その表情をこのウル・ファントムが見せたのに関わらず、剣が触れるというわずかな、一瞬を狙って、それを回避するなど、絶対的な瞬発力、反射神経を持っていたとしても不可能に近い。
そんな荒技を見せられた兵士には、心の底からじわじわと負の感情が侵略を始める。
恐怖の感情が...。
「な、何故...!?」
「ふっ...。ーーッッ!!!」
瞬間!!
ウルが剣で帝国の兵士の頭部を貫く!!
その1突きにて、もう兵士は動くことなかった。
ウルは、兵士が刺さったままの剣を頭上に上げ、一気に横に振る!!
それにより、遠心力などが加わり、兵士は地面にへとなぎ倒される!!
しかし、兵士はフルプレートである事から、もちろんヘルムをしていた事だ。
そのヘルムをしていたのに関わらず、中の人間を貫く事が可能だろうか?
その疑問は、倒れている兵士の頭部を見て、理解した。
ヘルムの穴...装備者に視界を与えるための穴の所から赤い血液が溢れ出していたのだ。
つまり、その穴から頭部を貫いた事となる!!
もちろん、そんな事はそう簡単に出来ることではないだろう。
そもそも、狙おうとするものも少ない。
失敗する可能性の方が高く、仮に穴に入れたとしても、僅かでも角度が悪いと剣に傷が付く。
それを一撃で確実にウルは成功させてしまったのだ!!
「そ、そんなバカな!!」
「あ、ありえない!!」
この現実を誰もが認めれないのだろう。
いや、認めれるはずがない。
さっきまで、鎧の隙を狙おうとしなかった奴が、ヘルムの隙間の穴から頭部を貫くなど...
「どうしたと言うのだ?さっさと、かかってくるがよい。少しでも、わずかでも、我を楽しませて見せよ!!」
ウルの目は鋭く、つり上がっており、その瞳には飲み込まれそうな程の紫の光を放っている。
ルシュタム、ラフィーヌ、アリアはこの時に始めて、仲間であるウルの表情から恐怖を感じ取ったのだ。
ふぅ。本日は何とか書けました!!
明日はキツイでしょう
んーん!!
ウルの雰囲気が変わりましたね!!
これも、ちょくちょくとある心の声の影響でしょうか!?
次回は雰囲気の変わったウルの続きとなるでしょう!!
ではっ、ゲ砂焼き鳥でしたっ!!




