レンヤの公開裁判開始では
まさか...レンヤ・サンナイトが犯人だったとは....
前書き アリア・ファンフィール・ネイサ
「そんなバカな!!レンヤが!?」
まさか....国を1人で滅ぼしたってのがレンヤなのか!?圧倒的な力....そうか、あれはレンヤの事だったのか。
しかし、何故、レンヤが?
滅ぼした国は...ワルダーナ...そうか!あの時のか!!
驚いている俺に気にすることもなく、裁判は開始を始める。
それもそうだ、俺はただの一般市民に過ぎない。そんな者の台詞にいちいち反応しては先に進まないのだから。
「それでは、被告人レンヤ・サンナイトの裁判を始める。レンヤ・サンナイトはワルダーナ国王の殺人未遂、国を滅ぼした罪に問われている。まずは、被害者側の訴えを聞こう。ワルダーナ国王、何かありますか?」
裁判長の質問に対して、ワルダーナ国王と呼ばれた丸々と太った男は隣の秘書らしき女性に、自分の意見を言う。
身体を痛めているため声が出せないのか、それとも、ただ単に王としての風格を見せつけようとしているのか、わからないがその国王の代わりに、隣のメガネを掛けた秘書が答えることとなる。
「我が国、ワルダーナ国を滅ぼし、我が命を断とうとした者を無罪として生かしておくわけには行かない。それはこの者に殺された我が国の勇敢な兵士たちに対しての、一種の懺悔だと考えている。今も、居場所を無くし、家族を無くした国民たちは途方に暮れ、悲しみの絶望の中で彷徨っている。それを少しでも報いるためにも、レンヤ・サンナイトを有罪とすべきである!....と、ワルダーナ国王はおっしゃっております。」
メガネの秘書の見た目は実に知的でクールな感じである、その雰囲気からは棘のある言葉を感じ取ることができる。
つまり、彼女もあのワルダーナ国王と共に怒りを覚えているのであろう。
「なるほど。被害者はこう述べておりますが、今の意見に対して被告人、レンヤ・サンナイトは何かありますか?」
「あぁ、確かにオレがあの国を滅ぼし、ワルダーナを抹殺しようとした。それは事実だな。」
「それでは、被告人レンヤ・サンナイトを有罪とし...」
レンヤの口調はこれ言うほどの問題ではないと言った雰囲気で、余裕の表情で、軽く答えた。
そのレンヤの様子を見て、周りの人々が口々にレンヤの事について良くないことを発する。
本当に、レンヤが....いや!違う!!
「レンヤが理由も無しに、国を滅ぼすなんて事は有り得ないんだ!!絶対に何があるんだ!!だって....だって!!そもそも、ワルダーナ国って...!!」
「お、おい!ウル!!よせ!!」
アリア姐さんが俺を止めようとして服を引っ張っているが、俺の熱は収まることはない。
しかし、周囲の人間が全員こちらを見ていることに気づき、冷静になり、これ以上、姐さんに迷惑をかけるわけには行かないので、俺は謝りながら座ることにした。
その俺の様子にレンヤは気づいたようで、こちらを見て、笑みを浮かべた。
「ウル...。」
「....では、被告人レンヤ・サンナイト。何かありますか?」
「あぁ。気になることがある。さっき、ワルダーナ、テメェはまるで、国民の事を考えているーみたいな言い方をしたな?国民の事を考えている...と?それなら、俺が国の兵士たちと戦っている時...いや、国の兵士たちが命懸けで交戦しているって時に!!テメェは、なんつった?」
レンヤの言葉を聞き、ワルダーナの瞳が大きく開いたかのように思えた。
まるで、弱いところを言われたかのような顔をして...
「ワルダーナ国民、レンヤ・サンナイトの質問に...」
「いいや裁判長。オレが答えよう。こいつは、ワシの安眠を邪魔するな...と言ったんだ。安眠...安眠ねぇ...国の兵士の事を考えている奴が、兵士が戦っているのを知らないはずがないよなぁ?ましてや、その戦っている最中に、寝ていて、安眠の邪魔という発想によくぞ辿り着けたものだなぁ!!」
「ーーッ!!」
「ワルダーナ国王、レンヤ・サンナイトの話は本当なのですか?」
ワルダーナ国王は焦りを隠しきれず、目が泳ぎ始めた。
この状況を覆す策がないだろうかと、あれこれと考え事をしているのが俺でも分かる動きだ。
しかし、その国王の口からではなく、隣のメガネの秘書が代わりに答えた。
国王に意見を聞くことなく...だ。
「私の口から答えさせて頂きます。ワルダーナ国王は、その日の昼から急激な疲労感と睡魔に襲われ、ずっと就寝なさっていました。この事より、兵士への撤退命令が遅れ...いや、そもそも、兵士たちが戦っているということすらご存知なかったでしょう。」
その秘書の顔を見ながら頷いていく。
嘘だ...と直感的に誰もが分かることができるが、それが嘘だと言いきれる確信も証拠もない。
「ほう。しかし、戦いが近くで行われてるってのに、すんでのところまで寝ていれるものかねぇ?」
「ふっ、白々しいわね、レンヤ・サンナイト。あなたがワルダーナ国王を眠らせた張本人では無いですか?」
レンヤの不敵な笑みを浮かべた表情が険しいものとなっていく。
そして、聞き取りにくかったが、「何言ってんだこいつ...」という呟きが俺には聞こえた。
「あぁ?ホラを吹くのもいい加減にしろよ?オレがワルダーナ国王を眠らせたぁ?ぶっ飛んだこと言ってんじゃねぇぞ!!そんなことにして、オレに何の得が...」
「ワルダーナ国王の殺害...ではないのですか?」
「いや、そもそも、本当に国民の事を考えている王が自分の城だけ豪華にするわけねぇだろがぁ!!」
「話がそれていま...」
「静粛にーーッッ!!!」
裁判長の一言によって、両者黙り込む。
しかし、レンヤはジッとワルダーナ国王とその秘書を睨みつけており、秘書は見下しているような様子でお互いに威嚇している。
そして、裁判長は口を開く。
「このままでは、先に進みません。被告人レンヤ・サンナイトの犯行の動機を答えてください。」
ふう、最近、焼き鳥の都合で投稿が遅くなって申し訳ないです!!
そろそろ、別のなろう作家さんの作品を読んで行こうと思っています!!
感想も見たら書こうかなと思っています!!
次回はレンヤ・サンナイトの動機から入るかと思います!!多分!!
では、ゲ砂焼き鳥でしたっ!!




