表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先の世界では 〜俺より仲間たちの方が強くてカッコイイんだが〜  作者: ゲ砂焼き鳥
第1章 赤黒いオーラを纏いし者
58/188

鉱山の頂きでは

あの叫び声はいったい!?


「何!?今の!!」

「とてもうるさかったですよぉ〜!!」


突如、この鉱山に鳴り響いた雄叫びについて、あたしとたむは今の状況が理解できないでいた。

はじめは、近くにその声の発生主が存在しているのか?と思い、周囲を見回した。


しかし、何度見ても、その声の主らしきモンスターは発見することが出来なかった。

では、逃げたのだろうか?

いいや、声が聞こえてすぐに、あたしたちは周囲の確認をした。

その一瞬で距離を取るのは、不可能に近いレベルだ。

と、いうことは....


「ウルの方か!!急いでウルの所へ向かおう!!」


アリア姐さんが何かに閃いたかのように叫ぶ!!

ウルに何が起こったって事?

いや、起こったわけじゃなくても、まずは身の安全を確認したいという訳ね!!


「今から戻るんですか〜?」

「いや、それだと入れ違いになる可能性が高いわ。ここまで来たなら、目標として頂上に行きましょ!!」

「そう、ラフィーヌの言う通りで、頂上に1度行ってみて、そこにいなければウルたちが登ってくるであろう道を頂上から降りていく!!」

「なるほどですよ〜!!」


どうやらたむも理解したようだし、早急にあたしたちは頂上を目指す!

あの雄叫びから本当にとんでもないモンスターの可能性が極めて高いことが予想できる....。

どうか、無事でいて!!


「さぁ、行くわよ!!!」



当たり前の事だけど、頂上に近づけば近づくほど坂が急になっていく。

余裕だったとはいえ猿たちとの戦闘による疲労はもちろんある。

そんな戦闘後の疲れを残したまま、登り坂を登るのはキツくなってくるのだ。

地面を踏みしめる振動が足腰に伝わり、肉体的に疲労を与え、足が少しづつ(もつ)れつつある。


「わわっ!!震えて来たですよぉ〜!!」

「頑張ってたむ!!この急な坂は頂上が近い合図よ!!」

「しかし.,.本当に急だな...」

「確かに、急...ね。」


でも、あたしたちには止まるという選択肢はない。

そのエネルギーとなるものは『仲間を思う気持ち』だ。

仲間たちの無事を確認したい!

仲間たちが無傷であって欲しい!!

という気持ちから生まれてくる力だ。

あたしたちは止まるわけにはいけない!!

気持ちで負けないように、それぞれは震える太ももを叩き、頬を叩き、気合いを入れる。


1歩、1歩、また1歩と足を前へ前へと出し続ける。

しっかりと踏み進む!!

お互いに声をかけ合い、励まし合い、登るのだ。

頂きを目指して...


そして、ついに...


「ついたわー!!頂上!!」

「ふぅ、ようやくか...!!」

「本当に疲れたですよぉ〜!!」


ラフィーヌ、アリア、たむはその場に倒れるように座り込む。

太ももやふくらはぎが久しぶりの休憩に喜んでいるようにピクピクと血液を循環させる。

髪から頬へ

頬から地へと滴り落ちる汗は、疲労の残っている身体で全力を尽くして登った証となっている。


「はぁ、はぁ...ふぅー。」


息の上がった状態の自分をそれぞれの呼吸で落ち着かせ、整える。

頂上では、その努力を称えるかのように心地よい風が吹く!

周りの風景もこの世界全てを見ているのでは無いかと思うほど広く美しい。


さて、心が落ち着いた時に本来の目的の確認をする。


「ウルは...まだ来てないようね」

「そのようだな...」

「ちょっと待ってください!!あっちから声が聞こえるですよぉ〜!!」


たむが指さす方向へ向き、耳を済ませる。

すると、聞き覚えのある声が聞こえてくる!!


「おー!!もう着いていたのか!!」


そう、ウル・ファントムとサヤだ。

登って来ながらであるため、『下から何かが生えて来た』かのように近づいてくる。


「良かった!!無事だったか!!」


誰よりも早く声を発したのはアリアだ。

アリアはウルに自分から近づいて行き...

抱きしめた。



ん?



「ちょ!?アリア姐さん!!何!?何!?」

「本当に無事で良かった!!君まで失ったんじゃないかと本当に心配したんだぞ!!」


アリアに抱きしめられてウルは顔を真っ赤にして慌てている。

その隣でサヤは顔を明後日(あさって)の方向へ向けて、関係ない人ですよアピールをしている。

...あたしはこんなふざけた変態狼のイチャコラを見たかったのじゃないのよ!!

イラッと来たので堂々と邪魔する事にするわ!


「よぉ〜いしょっと!!」

「うわっ!!」

「どうした?ラフィーヌ?」

「どうしたじゃないわよアリア!心配した気持ちは分かるけど、いきなり抱きつくのは良くないわ!!」


2人の距離をあたし自身を使って広げる!!

と、怒っているあたしをよそにマヌケなウルが言葉を放つ。


「え?ラフィーヌが俺の心配をしてくれてたのか?」


....


.....!!!!


「なな!!いや、その...ほら!!仲間だし!仲間の心配して悪い!?」

「ふふっ」

「何よ、アリア...」


アリアがニヤケ顔でこちらを見てきた。

イラッとくるわ!!


「うーん。というかそもそも、何に心配してたんだ?」

「モンスターの声が遠くから聞こえてきたので、ウルが無事かどうか心配してたんですよぉ〜!!」

「あ、そーゆー、事か。でも、俺は無事だぜ?たむちゃん!!」

「本当に無事で何よりですよぉ〜!!」

「多分、その声はボス猿の声じゃない?ウルの...」


あたしを無視してサヤと変態狼、たむが話していることに気づいた。

全く!誰のせいでこんなことになったと思っているのよ...

でも、本当に、変態狼(ウル)が無事で良かったわ。

本当に....

ん?


「ねぇ、さっきから風が妙に強いわね?」

「そうだなラフィーヌ。何だが無意識か天候も悪く...」

「あれは!!」


ウルの言葉を切るかのように放たれた驚きの言葉の主は誰かはわからない。

たむか、アリアか、サヤか...

しかし誰が言ったかが問題ではなく、『何を見て驚いたか』が問題だ。


天候が快晴だったのが一瞬にして暗い雲が包み込み、周囲を暗闇へと誘う。その暗闇の雲の流れを加速させるほどの風を(まと)う物体が遠くから現れた。そして、その圧倒的な姿を見せつけるかのようにこちらへ舞い降りる!!


「ぐぐっ!!何て風圧!!」

「!!」


間近にやってきてようやくその特徴を掴むことができる。

視界を覆い隠すかのように大きな翼

ワニのように長い口...だが、ワニのような細さではない!!もしかしたらトカゲの口の方が近いかもしれない!

悪魔のように羊、ヤギをベースとした角!

全てを切り裂くかのような爪!

そして、威圧的な大きさ!!

この姿を見て理解できないものはいないであろう。


モンスター界の王者

ドラゴンだ。

やはりと言うべきか、ようやくと言うべきか

ドラゴンです!!

次回、ドラゴンとの戦い!!となるでしょう!!

よろしければ感想を頂きたい焼き鳥です!!w


ではっ、ゲ砂焼き鳥でした!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ