誘拐犯退治では
誘拐を退治しまして〜
その依頼主とはいったい!?
「逃げ...」
「逃がすわけねぇぇだろ!!」
レンヤは馬から飛び、誘拐した犯人男2人の首を掴んだ。
そして、そのまま地面へと叩きつける。
地面とレンヤの圧縮の苦痛により、反射的にうめき声を上げる。
「ぐがっっ!!」
「ぐっ!!」
「...ソエル!!大丈夫か?ソエル!!!」
目を閉じていた黒いショートの女子をレンヤは見つけ、肩を揺すっている。
どうやら彼女こそがソエルらしい。
そして、レンヤの呼びかけに気づいたのかソエルの身体が動き出す。
「んんっ...レン..レンヤ?」
「あぁ!!オレだ、レンヤ・サンナイトだ!!!」
「ふぅ...無事で良かったですよぉ〜!!」
「そうだな、だが、まだやる事がある...だろ?レンヤ?」
俺の言葉に頷き、ソエルの無事を確認したレンヤは、たむちゃんとラフィーヌにソエルを預けた。
「さ...てと。まずはテメェらに聞きたい事がある。」
「ひっっ!!!」
「お、俺たちは..,ただ、雇われた、だけ...っで!!」
「あぁ、知ってる...知ってるさ...仕事だったんだろ?」
誘拐犯たちは、レンヤが『仕事でしていたから、仕方なくやったという事に気づいた』と思い込み安心の気持ちが生まれる。
「な...ならっ...?」
「許し.....」
「だが...な。仕事だろうが、仕方なかろうが、不本意だろうが.....やったことに変わりはねぇぇぇえだろがぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
レンヤから放たれた言葉は、俺たちに対して言っているでは無いということを知っているにも関わらず、その威圧と怒りによる迫力を受ける。
脊髄反射により全身が身震いし、鳥肌が立つ勢いである。
「ーッッ!!!」
「おい....依頼主は誰だ?」
「そ、それは...!!!」
誘拐犯たちのような悪人商売は決して依頼主の名を出してはいけないのだ。
もし、依頼主の名前を漏らしたという事が裏業界でバレたのならば、もう二度と仕事の話が入らなくなる。
依頼主の名を簡単に漏らすというのは依頼する意味そのものが無くなるからである。
本来、裏社会に依頼する理由としては
1つ、依頼主の力の無さ
2つ、依頼主が手を下したことを隠すため
これらの理由が大半である。
その事をレンヤは知っているのだ。
「もう一度...聞くぞ。依頼主は誰だ?」
「ぐっっ!!!」
「そんな事、言えな...」
「そうか、じゃあな」
レンヤは1人の胸ぐらを掴み、思いっきり殴...
「分かった!!答える!!だから、そいつを離してくれ...」
「大人しく始めからそうしとけばいいんだ。おら、答えろ」
犯人の男は顔を左斜め下に俯いていたが、すぐにレンヤの問いの答えを話す
「ワ...ワルダーナ国の国王だ...その国王に依頼された。」
「...ちっ、やはりワルダーナ国王か」
レンヤは聞いたことある国らしく、遠くを睨み始めた。
しかし、俺は...
「どこだ?そこは」
「ワルダーナ国はタイラント帝国を後ろ盾にして好き放題している国よ。まさに『虎の威を借る狐』ね。」
「物知りだなぁ、ラフィーヌ。しかし、どうしてまた、その野郎がソエルさんを?」
「それは、私がその国王に...」
「狙われているんだ」
ソエルが答えていた途中でレンヤが入り込んだ。
ソエル自身に答えさせるのは不味いと思ったのだろう。
どうやら、ワルダーナ国王は自分の欲しいものは何でもどんな手を使ってでも手に入れようとしているらしい。
それが女性でもだ。
「ちっ、ワガママな王だな。ソエルさんの気持ちも考えずにこんな事を!!」
「じゃあ、次は、ワルダーナ国に行くの?あ、あたしは大丈夫だけど...」
「いや、もう宿に帰るぞ?」
あらっ、てっきり「ソエルをこんな目にした国王は叩き潰す!!」とか言い出すかと思ったんだが...
だってレンヤ言いそうじゃん。
レンヤ絶対ソエルさんの事が好きなんだろうし。
ラフィーヌも驚いたような顔をしている。
「そ、そう。なら帰るわよ」
「ソエルを休ませないとな。」
「ありがと。レンヤ...」
「じゃあ、帰りまっすよぉぉ〜!!!」
俺たちはやってきた馬に乗って宿屋へと戻る。
ちなみに、ソエルはレンヤの後ろに乗って両手をレンヤの腰に回している。
2人乗りだ。
これ、ソエルさんもレンヤの事好きなんだろうな。
・
「なんというか、帰りは本当に速いなぁ。」
「よくあることですよぉ〜」
「それじゃあ、部屋に戻るわよ、たむ」
ラフィーヌとたむちゃんが部屋に戻ろうとしているとレンヤが呼び止めた。
「すまないが頼みがある。」
「どうしたんです〜?」
「ソエルをお前たちの部屋に入れてくれないか?」
「えっ?」
レンヤが意見を出すと、その言葉に1番ビックリしているのはソエルだった。
ちなみに、お前たちって言っているから俺の部屋じゃないぜ?たむちゃんとラフィーヌの部屋ってことな。
ちっ、俺の部屋なら安心なんだけどな..
「ソエルがまた連れさらわれる訳には、いかないからな。オレ1人より、お前たち2人の方が心強い。」
「なるほど、あたしはいいけど、ソエル自身は大丈夫なの?」
「えっと、迷惑じゃなければ...」
「迷惑じゃないですよぉ〜!!一緒に寝ましょ〜ですよぉ〜!!」
「すまないな、それじゃあ、頼むぞ」
そう言ってレンヤは部屋へと戻った。
なんか、クールでカッコイイな。
何でもできるレンヤさんって感じだな。
「ささっ、変態狼もとっとと、部屋に戻りなさい!!」
「えっ、変態さんなの?」
「だっ、誰が変態狼だー!!ソ、ソエルさん、俺は変態じゃないからな!!...だが、確かに部屋に戻るか。」
「おやすみなさいですよぉ〜♪」
「あぁ、おやすみ」
俺は部屋に戻ってお風呂に入って、すぐにベットの中へと入ったのだ。
・
周囲から音も無くなり静かな夜となった。
どうやらウルたちも寝たようだ...な。
ソエルを別の部屋に行かせたのは他にも理由がある。
「...さてと、殲滅しに行くか。」
...さてと、殲滅しに行くか。
誰のセリフかは、想像に任せます。というかすぐにわかりますね!
最近、現実が忙しくなって数日出せてない状態が続いて申し訳ないです!!
では、ゲ砂焼き鳥でしたっ!!




