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転生先の世界では 〜俺より仲間たちの方が強くてカッコイイんだが〜  作者: ゲ砂焼き鳥
第1章 赤黒いオーラを纏いし者
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部屋間違えでは

これは...部屋を間違えましたね

えぇ、


ええ、聞いたことのない声です。

つまり、部屋を間違えましたね。

これは明らかにまずい。

そもそも知り合いの部屋に聞き耳を立てることすら危ないのに、知らない人の部屋となるとまずい。


「静かにな...ゆっくりと」


物音を立てずにゆっくりとゆっくりとさがる。

ドクドクと血液の流れを感じ、周囲の音が全くと言ってよいほど聞こえなくなる。

そして、ずっと腰を落としているというのも怪しので音を立てないようにゆっくりと立つ。


「ふぅ...さて、帰るか...」


すみません、皆様。

なんというか、罪を犯した後の罪悪感が今、こみ上げてくるので、今日はこの辺で部屋に帰ります。

ですが、次は必ず成し遂げて見せます!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」


悲鳴がこの宿屋中に鳴り響いた。宿屋は何十人もの人が泊まれるようになっているため、まぁまぁ広い。

にも関わらず、ここまで響くというのは何かがあったということだ。

ならばやることは一つ。


「行くっきゃない!!」




声の元を辿っていくと、1階のロビーのようだったので、1階へと向かっていると....


「うるせぇっっ!!!さぁ、金を出して貰おうか!!!!」

「ひっつ!!」

「下手な真似はするな...よ?」


3~4人の男が受付の女性を脅していた。

目的は金

つまり、強盗というわけか。


「おらっ!!行動が遅いんだよ!!!」

「きゃっ!!ご、ごめんなさい!!」

「うるせぇぇえんだよぉぉお!!!」


「うるせぇのはお前らだろ?」


俺は身体が勝手に動いていた。

それはまさに本能の赴くままである。

決まったな...さぁ、ここで、俺が大活躍して『超カッコイイビューティフルの男の中の男ウル・ファントム』っていう称号をいただきましょうかねぇ


自分たちの仕事を邪魔された強盗たちは殺気だった顔で威嚇してきたのだ。


「あぁ?なんだ?」

「何か文句でもあるのかぁ?」


剣をチラチラと見せびらかすようにしている。

その様子はまさに、恐怖によってこちらの戦力を削ごうとしているものだろう。

だが、な。

俺にもあるんだぜ?

俺は腰に手を....

ん?


「...あれっ?」


ない!!

そういえば、部屋に置きっぱなしだった!!

いやだって、武器を常に持ち歩いてたら駄目じゃん!!


「どうしたぁ?まだ、文句でもあるのか?」


やべぇです。

本当にやべぇ状態になりました。

絶対絶命の崖っぷちに追い込まれている。



「あぁ、文句ならある」


おっと、このカッコイイ台詞は俺じゃないです。

俺の後ろからやってきた、赤髪の青年の台詞です。


挿絵(By みてみん)


赤髪の青年は、髪の前髪の左側をぐりんと、右に曲げ上げたような髪型であり、男らしさと好戦的な荒々しいイメージを与える。

さらに、目つきも鋭く、目と眉毛の距離が非常に近い。

そして、高身長で、肩幅が広い。

185cmほどだろうか?


「あ?なんだぁ兄ちゃんはぁ?」

「お、おい、この赤髪って...!!」

「オレはレンヤ....レンヤ・サンナイトだ。」


レンヤさんナイト?

自分の名前に「さん」を付けて、さらに「ナイト」って名乗るのか...

俺は...ウルさんナイトだ。

....

許さないと って聞こえるなぁ


レンヤ・サンナイトであるとわかった途端、強盗たちは、騒めき出した。


「ほう、オレを知っているのか?」

「レンヤ・サンナイト...URアルティメットランク。まさか、こんな奴がここにいるなんて!!」

「どうやらオレも有名になったようだな。さてと...で?まだ、強盗を続けるのか?」

「ぐっっ」


レンヤ・サンナイトの一言で強盗たちは焦りを隠せず後ずさる。

その様子を見ているレンヤ・サンナイトは堂々と立っており、少し不敵な笑みを浮かべている。

何これ凄い。

その様子を見ている俺はどうやら強盗たちの視界には入っていないようだ。

ふぅ...これも『ジョブ・ハンター』のお陰か...


....

ジョブのお陰なんだよ!!


「まぁいい!目的は果たしたんだ!!逃げるぞ!!!」


どうやら逃走という決断をしたらしく、次から次へと宿屋の外へと出ていく。

レンヤ・サンナイトは出ていく様子を見終わった後、俺の方へと話しかける。


「武器も持たずに立ち向かうとは...その勢いは褒めよう。ところで、大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない。」

「...!!お前...名前は?」

「ん?俺はウル・ファントム」

「ウル....そうか。悪いな。少し、昔の仲間に似てたんでな....」


レンヤは過去を懐かしむように答えた。

何かあったのだろうか?


「あ...あのー、ありがとうございました!!」


受付の女性から感謝の声が上がった。

その声にはまだ恐怖が残っているように震えている。

それに対してレンヤはスッと返す。


「大したことじゃない。少し、騒がしかったんでな...」

「ありがとうございます!!」

「かっけぇ...」

「しかし、1つ気になることがある...奴らは言った目的を果たした...と。」


レンヤは顎を片手で抑えて考える様子を見せる。

そして、何かを感じ取ったのか目つきが焦りへと変わった。


「ーッ!!『魔法・閃光(フラッシュ)』!!!」

「!?」


レンヤは魔法を確かに発動した。

だが、何も起こらない。

この事よりレンヤは1つの答えを導き出した。


「これは...『完全なる対魔法結界(アンチ・マジック・フィールド)』!!」

すみません、よからぬルートへと行こうという計画でしたが、あのような事件が起こったので...

恨むなら、強盗を恨んでください!!


次回、物語が大きく動く予定です!!

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