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  作者: 実嵐
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大切な説明書

一課長は缶コーヒーを飲み終えてしまった。老人は売り物であるはずのコーヒーを出してきた。金を出させるのかとか思ったりした。

「貴方は智穏君の事を聞いてくれるからこれはただにするよ。時間はあるかい?まだ話には続きがあるんだ。」

「聞きますよ。謎だといってしまえば終わるんですけどかくしているのは意図を感じるんですよ。」

好みのコーヒーを出してきていた。ゴミ箱に捨てるときに見ていたのだろう。

「あの子は隣町の養護施設の野球チームに入っていた高校は見向きもしなかった。2人は甲子園に行ってるんだ。別の高校の部員として偽名で活躍したよ。それも理由があることから大学は認めた。」

「そのいた高校は?」

「いじめがあったから部活をやっていなかったわけだ。それに俺の時代に俺の友達がいじめで自殺していた。隠したいことが多かった。教育委員会は手を付けて廃校にしたよ。」

彼の行動は守るとかの次元ではなかった。見捨てたことを後悔しているのだ。気づいていたはずなのにと。智穏には誰かいたのか。

「佐渡優斗君がね。動いたよ。あそこの家はよくわからない。親父さんは確か智穏君の親の遺品を全て残していて渡したみたいだよ。」

遺品をもっているということは事件の事はわかるということになる。警察に手助けをしていたこと、助けたのに無視したこと。

「警察をしてるといったね。何処かでけがれた職業と思っているかもね。救われた人への恩と思って勘違いした行動をしてしまうかもしれない。」

写っている写真は笑顔ではないが恨みとかを感じる表情ではなかった。相宮は果たして何を目に映しているのだろうか。

「大切なものをもっているのを隠しているのですかね。だって仲間をもっているのに。」

「わからないのかもしれない。何故自分が生きているのかと。両親を警察に見殺しにされて今いるのはその警察だということが嫌なのかもしれない。」

話していくうちに減っていく缶コーヒーはときを忘れてしまう日めくりカレンダーのようだ。人とはそんなものだと割り切ってしまうのが怖くて仕方がない。恩を忘れないのは過去のいじめだろうか?ただ怖がっているだけだろうか?

「両親が悪人なら仕方ないと割り切るだろうが探偵それも協力的だったみたいだし。それは智穏君から聞いたこと。警察は手柄を奪っていたことに気づいたんだよ。」

「奪っていたんですか!賞状とかが欲しいとかいう人達ではなさそうですけどキチンとお礼をしなくちゃいけないですよね。都合がいい。」

「だからどうかあの子を守ってほしい。生かしてほしい。」

「わかりました。」

誓いに近かった。相宮はいじめとかを受けて心を閉じた。仲間の大切を知っている。教わったから。今の奴等とか遠くで眺めながら自分の関係する事件を調べているのかもしれないなと思った。

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