警告通知
智穏はホワイトボードの前に立ち尽くしていた。考えているのだろうか。頭に手を置いている。それで出てくるのも驚きだが・・・。
「大学狙った事件があっただろう。あれは時限爆弾だったか?」
「そうだよ。安い時計を細工したね。詳しくなくてもできるとかのものじゃない。配線とかは素人はできないよ。その事件だけ浮いていたよ。」
長谷の事件はボイスレコーダーを解析をすれば判明するので和翔にお任せだ。だって鑑識では役に立たないことを証明するために行ったともいえるのだ。
「過去の職と違う奴は少し怪しいと思ってもいいというわけだ。現職は確かに怪しいけど明らかすぎるともいえるんだ。研究者を探さずにしてくれ。」
「わかった。和翔。解析済んだか?」
「終わったさ。気づかないうちに大切なデータが失われていることに気づいていないはずだよ。ホシはというか単純だ。佐伯琢磨。呼び出して殺してる。書庫と思われる場所で撮影してるんだ。そのデータをどうしているかな?」
雅也は資料に目を付けている。古いものほど参考になるらしい。
「長谷の家には捜査一課が入っているらしいから探してくるよ。あるはずだよ。あいつは秘書になったほどの男だからバカじゃない。分かりにくいところにおいていると思っている。」
雅也は風を切っていった。潤紀は解析をしている。場所、残っているもの、狙われた人達。
「黒確定は佐伯琢磨だな。過去の事件を再現するのもいいじゃないのか。怯える原因ともなるし派手に怒るかもよ。だましたのかってな。」
優唄は人に沢山あってきただけあって予測とかできるのだ。プライドに見せられた人とかは自分のやったことはたいてい棚に上げてしまう。それくらいわかっている。
「あんなとりつかれるようなものにはまるなと思うけどな。佐伯は夕方どこかの山にきて殺している。見た奴は金で解決すると偽るはずだ。打つ手を早めにしないと2つの事件が動くということになる。死神が動かないのはどうかと思うけど。」
「動くよ。事件のあった大学で大学祭があるらしい。落ち着いてきたから警備とかは手薄になると見込んでな。あれよりもでかい爆発が起こると思う。復旧とかいうレベルとかじゃないくらいにな。」
敷地が広いと全てを見ていられない。大体来る人を学生と見込んでいるのだろうから明らかに不自然じゃないと通過すると思われる。
「大学に警告というより佐伯琢磨だ。大学が佐伯に裏金を貢いでいることは週刊誌で分かっていることだからな。」
その場にいた4人は恐ろしいと思った。マスコミを。




