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  作者: 実嵐
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思い出返し

潤紀はコスモスに向かった。解決していないが気分転換に来たのだ。養護施設で育ったためひねくれた奴は必ずいる。それを理解しているし自分自身もそうだったと思う。車にはプレゼントを入れていた。絵本や今話題になっている本とかいろいろだ。雅也が中村にしたようにしてみたいと思っていたのだ。

「ヒロ、来るなら行ってくれてばいいのに。」

「ちょっとしたサプライズだよ。子供たちにも渡してほしいものがあるんだ。僕が感じたことを感じていなければいいんだけど。親がいないなんてつらいって。」

段ボールを恵に渡した。けれど、思いの他重かったので結局潤紀が持った。吉崎は子供たちと遊んでいた。こんな環境で育ったんだと改めて思うようになった。

「情に流されるようになったのね。それもある意味進歩と思っているの。ヒロは特殊犯罪課に出会ってよかったんじゃないの?」

「特殊犯罪課はね。特別なものなんだ。ほとんど同じ境遇の奴等が四苦八苦しながら解決してるのが楽しんだ。」

智穏はいつも静かに見つけていながら事件を解決するために推理をする。雅也は資料を読みこんでしまって不正を見破ってしまうほどだ。和翔はパソコンをいじっていながら周りの変化を見ることができるのだ。驚くほど智穏に関しては弱いが・・・。優唄は完全に歩いて聞き込みをする。人から奇異な目をされることなく情報だけを得るのだ。過去の事は隠せないと思っているので明かすことが多い。これもまた交流の1つかもしれない。

「貴方みたいな人が訪れてくれてありがたいの。だって自分の将来も想像できない子が多いのよ。そうよね。1人で生きなけばいけないと思っているのかもね。」

「そこで立ち話なんてしないで入って話しなさい。家に帰ってきたのだからゆっくりさせてあげなさい。」

何処か吉崎の声といっていることは親とそう変わらない。段ボールを抱えて倉庫に行った。置き場がないというのだ。小さな場所であるからしょうがない。

「君はもうサプライズでこんなにもってきて。誕生日とかに好きな本を渡そう。」

紙を見るとストラップの絵があった。手に取った。こんなのなかったなと思った。

「オリジナルのストラップを作ってもらっているんだよ。思い出になるだろう。養護施設のストラップなんて捨てて貰ってもかなわない。ただ思い出は捨てないでほしいと思ってね。」

倉庫は懐かしい気持ちが流れる。よく此処を隠れ場としていた。情報が早くわかるからという子供心が含まれているのだが。コスモスで気分転換ができた。

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