紙の懺悔
特殊犯罪課は死神の事件に集中している。飛んでもないという位かねをかけているとはいいがたい状態でもあるのだ。それでも文句を言わないのだ。それは裏金があるとは言えないのが真実なのだ。
「一課長、二課が話をしたいといっているようです。深い話をするつもりかどうかはわからないですけど。上の決め事は口出し不可ですものね。」
一課の中でナンバー2に値する人がようようとしてる。高いくらいをもらえるとしか考えていないのだ。自販機の前でエナジードリンクを買って飲んで待っていると、二課長が来た。屋上で話したいということだ。
「梅津さん。長谷の死体が見つかりました。佐伯の秘書が死んだとなると俺たちがかくして来た事がすべてわかってしまうのではないのですか。」
梅津は何も言えなくなった。特殊犯罪課が喋っていたことはこのことであったのだと。予言をする占い師が存在している。それも飛んでもなく当たると評判の有名な感じがする。
「大丈夫だ。昔のデータを奪われないようにしろ。そうしたほうがいいような気がするんだ。」
「データはもうすでに特殊犯罪課の手下になってます。それもはるか昔からです。今、井本がいるので簡単に入ることはできません。彼等をどうにかしてくれませんか。二松の実の親なんですから。」
感じるのは親としての圧力だった。それもはねのける力をもっているのを知らないから軽々しくいえるのだと思った。空は曇りで雨が降りそうなほど風が吹いている。
「特殊犯罪課はな。権力には興味がない奴等の集まりだ。そんなの効果があるとは思えない。むしろ逆効果で警戒されるだけだ。」
「よくわかってるですね。堅物と変わり者の集まりを知ってるなんて梅津さん。大葉は冷淡な男だからいたら扱いにくいだろうな。ものは良いのに困ったものですね。皆厄介な奴等なんですよ。だからどうにか追い出せないですか。」
「追い出してみろ。検挙率が下がるのはわかったうえでするのならいい。解決してるすべて。特殊犯罪課がやってる。迷宮入りの事件が増えてマスコミから叩かれる。そして特殊犯罪課の存在を明かされる。捜査一課とか二課に影響するんだ。全て窓際に解決してもらって手柄にしていたと知られると困るのは自分たちだ。」
熱く語った。そんなことをされないように。
「なんか過去に聞いた話に似てますね。探偵がいて協力してくれたのに探偵が苦しいんでいるときは助けなったって言ってました。」
「探偵の名前、わかるか?」
「相宮幹治とか。相宮奏。」
相宮の親なのだ。事件はただの交通事故ではなく他殺の殺人事件であることを示されている感じがした。都合がいいとはこのことなのだと思った。探偵に依存した警察が犯した決断といえる気がした。




