演者のセリフ
圭吾は由美を食事に誘った。息子が警察にいって刑事と鑑識をしていると聞いたときは驚きはあった。二刀流をしている人などあんまりいないからだ。由美との待ち合わせにしたのはよくある古びた居酒屋だった。
「待ったのかしら。貴方は役職が偉いから早く終わることができるじゃない。私とは立場が違うのはわかっているからね。」
「そういうことは言わないでくれよ。お前だって鑑識長になっているじゃないか。大して変わらないじゃないか。」
空気が悪い状況に店員に入ってきた。場の悪さは肌に感じながら生ビールを頼んだ。
「私はね。貴方が悪事を犯したからそれを口止めするために役職をもらっただけの事。特殊犯罪課にばれたんでしょ。だからあの子たちは独立した国のようにしているのよ。分かっているのよ。」
つまみは頼んでいないためビールが来たときに適当に頼んだ。ほとんどがおすすめだった。決めることに時間を割くのはおっくうだった。
「すまないよ。署長もばれたからこうなったんだ。」
「そうじゃないわ。相宮君はわかっていたんだわ。そしてわざとはかせる現場を作ったのよ。あの子は推理の天才だから。」
圭吾は冷たいビールを飲んだ。大体はおいしいと感じる味が感じられなくなっていた。冷たいだけの安っぽい飲み物に勘違いした。
「相宮はわかっているはずだよ。事件の後の動きを動かしているということに。4人の天才が後ろで動いているからね。」
「相宮君がすべて悪くないわ。全員悪いんだわ。事件を解決するだけがいいと思っているのが良くないのよ。」
圭吾の思いは少し違った。相宮が警察をやめて裏社会に行ってしまったらそれまた厄介だったはずだ。操れることを理解しておきながら率いることが嫌なのだ。
「あの子と久しぶりに話してみようと思っているんだ。由美もきてくれたら心強いんだと思うんだけど。来ないか。」
「ダメよ。私が良く思っていないことがわかっていないと知ったら断られるはずだわ。いや、わかっているはずだわ。そうね。一緒に聞いてみようかしら。親として最低の事を私たちはするのね。」
特殊犯罪課は捜査一課に属することを嫌がり個別の部屋を得た。捜査会議に出ていたが今は出なくなった。巨大な国に援助されていたが裏切りを知った瞬間独立を決めた国のように見えた。操り人形になっているのはどちらといわんばかりの態度をするかはわからない。
つまみに舌を少し癒しながら話した。悪を決めることにこだわりかけている自分に少しがっかりした。人として最低だと思ってしまう。事件に関係のないことに興味が言ってしまうなんて。




