案内人
長谷は櫻野と会ってから数日後ではあったが警視庁に向かうことにした。佐伯琢磨に内緒にしてきている。それくらい極秘にしなければいけないことであるのは前の会話で分かった。近くにいた警察官に声をかけた。
「特殊犯罪課はどちらにあるのですか?」
「特殊犯罪課に用事がある人なんて珍しいですね。彼等は今、何をしているかはさっぱりわかりませんけど、場所はわかるのでついてきてください。」
制服警官と呼ばれる存在であるのだろうか。優しく声をかけてくれる。場所はあまりにも奥まった場所に会った。彼はドアをノックした。明らかにおかしいと思えるくらい独特の音を作りだしていた。
「今、開けたから入れてくれ。誰が来たかは智穏がわかってるから大丈夫。」
制服警官はただ従うだけだった。入ってみるとあまりにこじんまりした感じを受けた。扉の音の後に電子音が小さくなった。
「あのー。」
「そこに座って。貴方が来るのはそこにいるフリーターみたいな人が勘づいていたから。」
テーブルが5つあるなかの少し外れたところに座っていた。恰好はあまりにも金をかけていないのは目に移った。
「課長の相宮といいます。来ると思っていましたよ。長谷明憲さん。」
「どうしてあなたが私の名前を知っているのですか?1度もあってないじゃないですか?おかしいですよ。」
「優唄に会いに来たのなら俺たちも知ることになるんですよ。情報をきちっと共有してますから。それも此処にいる奴等だけですよ。」
ソファに誘導されると5人が集まっていた。コーヒーも用意されてある。驚くこともなくなった。個性が強いすぎる感じはしなかった。
「それで何か御用できてるわけなんですよね。教えてください。」
「佐伯さんについて調べている理由を教えて下さい。」
「和翔。資料をコピーして。雅也は関係がありそうな内容を話して。潤紀、証拠品のコピーを出して。優唄は近所の聞き込みを全て。」
課長といわれている人はすべてをさばいていた。分担がキチンと決まっていて無駄のなさを感じた。人が多ければ何もかもいいというわけではないと感じた。
「我々はというか俺たちは捜査一課が捨てた仕事や過去の事を掘り起こしてやっているだけなんですよ。大したことは何もしていないんです。今回の事は死神に関連することですから止めたいと思っているんですよ。」
「それなら大いに手伝います。佐伯さんがどうしたなんて言っている場合ではないことはよくわかりました。」
コーヒーを好みの味にしている智穏とパソコンをいじりまくっている和翔がいた。潤紀、雅也、優唄は資料をまとめている。好き勝手やっているようでやっていないのがすぐに分かった。




