過去の復讐
雅也は中村に会いに来た。本を渡すためだけじゃない。新作ばかりをもってくるのはいけないと思っている。古本屋による時間もないため本屋に大量に買う。知り合いのように扱ってくれる監察官がいる。
「今日もたくさんの本をもってきてるね。あの話の事は僕が一緒についてるから黙っていてあげるよ。これは捜査しているのだから。」
「君は特殊犯罪課について何か思っているのか?だから手助けをしてくれているのか?」
「敬語からタメ口になったのはよくなったといわれた。それは荻正巡査からさ。死神の事を許そうとは思わない。大体ホシをわかっているとみている。捜査一課よりは活躍するのはわかっている。そろそろ面会室へ入れ。怪しまれるかもしれない。」
名もよく知らない監察官ではあるがやさしさをそのまま受けることにした。面会室はいつもの部屋にされている。開いている限りは。中村はすんなり入ってくる。
「佐伯海斗の仲の良かった人、わかるか?」
「名前までは憶えていないけどあだ名で呼んでいたよ。確かさ。冬とかかな。季節に関係する単語ばかり発していた感じがする。」
「じゃあ。父親が佐伯琢磨であるということは?言いふらしたりしていなかったか。口ごもった言い方でも構わないからさ。」
雅也は落ち着いた言い方ではなく焦りを感じるような言い方に近かった。犯人はわかっているのかもしれない。
「金を落としてくれる人がいるといっていた。大金をあら使いをしていた。宝石から家まで買っていた。家は生みの親と暮らすためであったらしい。ローンもすべてその人に払ってもらっていると。価値のある場所に立てて貰っているから財産になるって。」
「母親と暮らす予定を立てていたのだな。隠し子であることをどこかで聞いたのかもしれないな。財産をもらって慰謝料をもらったのだ。捨てて育てさせたことに対して。」
「海斗はどちらかというとガキ大将に近かった。警察のお世話にはなるがそれは父親に対する反抗じゃないかと思えていた。大麻や覚せい剤を始めたのは父親のつてからもらったものじゃないかと思う。」
大麻や覚せい剤をさせて仕事を辞めさせるのを目的としていたのではないか。黒幕として生き続けるために。最低な親だとしか吐き捨てられない。政治生命を言いがかりに何もかも押し付けてくるだろう。それか権力の違いを言い続ける。それは理不尽な生き方を知っているからするのではない。邪魔でしか思わない。人をものとしか映らないのだ。家来か家臣の間違いをしているのだ。




