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  作者: 実嵐
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仇うち

智穏は特殊犯罪課に戻った。資料が机の上に置かれている。分厚い。真実が書かれているとは限らないのだ。

「雅也、資料を読んだか?訂正はあったか?」

「不正らしき感じは今のところはしないけどもうちょっと詳しく読んでみるよ。」

和翔にレコーダーを渡した。彼はやはりというような笑みをした。盗聴器は仕掛けられていなかった。小型カメラもなかった。

「署長は佐伯琢磨と関係がある。警視庁が腐っていると思え。警察は正義のために動かずに利益だけに動くことを許すな。」

「潤紀。筆跡鑑定を頼む。後、指紋も取れたら取っといてくれ。」

優唄がつぶやくように伝えた。鑑識部屋は最新の防犯設備を付けている。特殊犯罪課も同様の設備を隠している。和翔のパソコンから出ないと解読ができない。彼のパソコンを操作できるのは特殊犯罪課の5人だけになっている。

「僕は思うに秘書を仲間として操るのはどうかと考えているんだ。ただ、裏切るという行為をできるかと。恩人をかばうこともあり得るからさ。」

「本人と会ってみたいと思うかな。ただ、極秘で会いたい。会うとすれば優唄に行ってもらう。そうじゃないとな。」

「わかってるよ。俺は背負うものは大切な仲間だ。家族に会うことはしない。ばれたら困る任務だ。」

智穏はホワイトボードを見た。死神のいるところに政治家ありと書き込んだ。今まで以上に入るのが困難になった。荻は交番にいながら特殊犯罪課に電話を掛けた。

「相宮。噂は聞いた。俺のつてを使うからさ。」

「荻。頼む人の名前を教えてくれ。佐伯とつながっていては困る。捜査一課にも鑑識にも頼んでいないから。」

「お前がこうして出てきてくれて話をしてくれることだけでうれしい。兄貴の敵を討ちたいからさ。」

正は家族写真とある1枚の写真を飾っていた。それは兄がとても大切にしていたものだった。仲間思いだった兄の思いを一番近くで受け継ぎ、少し人を信じれないところもあったけれど何が大切は肌に染みてわかっているのだ。

「敵を討つのは法だけでいい。復讐なんて考えを思いおこさなければいい。雅也を見ただろ。あいつはまだ中村に会っている。」

「井本は確かストラップで分かったんだろ。今回もストラップ。怪しいな。」

ストラップ。養護施設のものだ。近くに工場があるということだ。いち早く取り入れたのはコスモスだ。吉崎は助けるためなのか。吉崎について掘り起こすのも悪くないと思った。

「荻。もしものことがあっても死ぬなよ。俺はもう懲りた。」

「お前が言うなよ。人を心配させていてさ。分かったよ。気を付けるよ。じゃあ何かあったら連絡するよ。」

荻と相宮にとっては懐かしさを覚えるくらい話した。心配させていたことすら忘れていたのだ。

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