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  作者: 実嵐
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裏切り

雅也は佐伯について聞き込みをするべきだと考えた。眞白のユリ園は役所に紛れ込んだ最悪な施設だそうだ。

「零さん。佐伯と仲が良かった奴知ってるか?手下的な役割をしてた人間とかさ。」

「いました。コスモスから来たって。里親から逃げてコスモスに戻らなかった。確か3人いたはずなんだけどほとんど一緒にいるときが少なかったからな。男だったということしかわからない。」

中村は遠くを見つめていた。記憶を引き出す行為の一つなのだろう。刑務所から出た。死神になった理由も何もかもわからない。眞白に行ってみるのもいいのかもしれない。雅也は特殊犯罪課の扉を開けた。

「和翔、佐伯海斗のことを調べてくれ。よく言っていたらしい。人を殺すのは楽しいかなって。」

「わかった。俺をなめてもらったら困るよ。今はハッカーよりも楽しいことしてるんだ。」

優唄は眞白のユリ園の実態について聞きにいた。近所を歩きまわれば出てくる。潤紀は鑑識のやり残しを探っている。必ず何か残っているはずだと。智穏は資料を読み込んでいる。特殊犯罪課らしい姿になっている。

「佐伯はな。小さい工場で働いていたがすぐやめている。1か月も持たなかったらしい。ストラップを専門にしてる工場だ。」

佐伯は殺人未遂と軽犯罪を沢山起こしている。大麻などに手を出している。

「佐伯の身元が分かればいいんだけどな。」

「わからないよ。死んでるんだ。2年前に。再生施設から抜け出して死んだ。幻想を追いかけて崖から落ちたらしい。」

金のために軽犯罪に手をかけたということか。雅也、お前は資料を読みこんでいる。何か見えてくるはずだ。」

2人は資料室へと向かった。犯罪履歴がわかるのはパソコンだけだがそれだけではわからないことが書き込んである。佐伯に関するものだけを大きな机に広げた。とんでもない量だった。

「これを見るのか。結構かかるぞ。」

「大丈夫。ほとんど覚えているから。大麻とかの関係のを見るだけでいい。」

詐欺の受け取り役をして金を稼ぎ養護施設に出向いていたとしたら。園長は異変に気付くはずだ。変わっていなければ。

「何度も養護施設に訪れていたら。きっと口止めを行うためにきていたら。」

「同じ園長であるかはわからないはずだから。警察に内通者がいるとしたら。簡単な刑で済まされていたとしたら。」

「捜査二課の4係が担当するような内容だから。捜査一課にいても可笑しくない。ばれてなければいいからな。」

智穏が関係した事件と今回の事件はつながっているような感じがした。

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