昔話
死神は身近なもので爆弾を作っていた。ネットであるかは不明である。和翔はパソコンを自分のデータのように扱う。有名大学の肩書すら捨ててしまう。それくらい特殊犯罪課の力があるといえる。
「雅也、資料をもらってきてくれたか?捜査一課がもっていても無駄な材料だ。養護施設に関することも。」
「一課長がもってきてくれるって。智穏は病院で回復するのを待ってからやるのじゃ遅いから。病室にももっていける資料くらいはもっていこうと思ってな。」
優唄は言った。辞表はなかったことにできるほどの強さも今はないかもしれない。寄り添うなんて呆れるほどのものだ。潤紀は鑑識部屋にこもっている。証拠がある。足跡に何かあるかもしれない。
「資料もって来たぞ。智穏を救ったんだってな。仲間関係は良いんだからあとは死神に集中しろ。今までにおいて簡単にあとを見せるような相手じゃない。」
「ストラップだけっていうのが頼りないんですよ。大学の事件だって何も出てきてないし。鑑識は動きっぱなしということは聞いているだけで。珍しい何かが見つかったわけじゃあるまいし。」
死神は総理をいまだ狙っていない。養護施設の関係者に聞いてもあぶり出てくるのはない。特によく思われてないところは。
「零さんのところ行ってくるから眞白のユリ園ぐらいは聞けるよ。本当の声。コスモスは当事者がいるから必要ないか。」
「じゃ雅也聞いてきてくれ。」
刑務所に向かった。監視官はいるがたいていのことは聞かなかったことにしてくれている。ただの関係ではないと悟ったからだろう。
「零さん。眞白のことを言ってくれるか。当時あったこと。話したくないかもしれないけど。」
「いいや。そんなことはありません。」
眞白は日にちが長い人ほど権限がある。それはいつのまにか決まったことで。園長は甘やかした。なれなれしくすることもできないほどの力をもっていた人物がいた。佐伯海斗という。最初に入って育てられた。やくざにもなりヤンキーにもなっていた。たまにきてはいじめをしていた。
「恐ろしいことを言ったんです。『人を殺してみるのも楽しいかな。』って悪気なんかなく言ったんです。確か、俺より4歳上なんです。佐伯を探してみてください。何か企んでいる可能性なんてないとは言い切れないです。」
雅也はメモをした。殺人を楽しみだともとれるような発言をしていた。恨まれても大丈夫な人間がいる。ホシは狙っているのかもしれない。死をも恐れることのない人。化け物扱いされる人を。




