自殺の果て
智穏の手術はいまだに終わっていなかった。あれほどの大きなけがを自らにきせたのだからしょうがない。ベンチには4人がいた。署長と一課長と鑑識長、荻巡査がいた。小走りで4人は来た。
「相宮の容体はどうだ?」
「まだ手術でさえ終わってないんです。急いで居場所まで来たけどぎりぎりの状態だったんです。」
署長に伝えるだけで精一杯だった。潤紀は下を向いた。和翔は遺書を携帯に読み込んでいたが黙っていた。内容があまりにも酷であると思った。見せるのはいけない。心の中に止めておくことが保てると感じた。手術が終わったのだろうか医者が出てきた。医者に駆け込んだ優唄は話を聞いてほっとした様子だった。
「手術は成功したって。集中治療室に入ることにはなるだろうけど大丈夫だって。」
優唄は嬉しそうだった。集中治療室に向かった。プラスチック越しに見る智穏は頼りなかった。看護師が近づいてきた。8人の真ん中に入って話してきた。
「あのーこれをもっていたんです。大切なものだと思うんで渡しておきます。」
1枚どころじゃないほど写真があった。それは荻学から署長まであった。
「相棒から仲間だと思ってくれている人までいるということ。最初は死ぬ気で行ったわけじゃなかった。」
「あいつは1人で解決できるのであれば解決しようとする。これを直すことが最優先だと思う。だからお前らで死神の事件を解決して報告しろ。」
署長の提案は逆効果であると感じた。一緒に過ごしてきたからわかることである。
「そんなことはしません。よくないのはわかってますから。此処でできるだけ一緒に仕事をして過ごします。」
雅也の言葉の裏には思いが押しつぶれるくらい入っている。目が覚めるまで誰かが必ず見守ることにした。仕事をしながら見守ることに大切さをかなり覚えた。
「今日は俺が見ます。交番の仕事は明日休みなので、明日は誰にするのかは明日決めることにしたほうがいいと思います。」
7人はかえっていた。荻は兄の写真をもっていた智穏を眺めた。正に伝えることを伝えないで自殺行為に諮ったことが腹立たしかった。何か相談しようとしなかった行動は人を信用していなかったあの頃と同じように思えた。正は公衆電話で電話をした。母親に伝えることはいけないと思った。伝えざる負えないということを感じたのだ。
「母さん。相宮のやつ自殺しようとしたらしい。怪我をしたみたいだけど大丈夫。生きてはいるから。それに絶対会わせるから。」
嘘にしないようにしないと思った。