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  作者: 実嵐
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正は数日たってから特殊犯罪課へ向かった。騒ぎ立てているかのように廊下があれている。

雅也が自販機コーナーにいた。好き勝手にできる課であることまじまじと思った。

「荻さん。智穏から事情は聴きました。」

「そうか。資料をよく見ているお前なら辻褄があっただろう。あいつは1人ですべて解決するのが正しいと思っている。何年も前に解決した事件を。墓にもいかない。俺の母親は俺より心配してるんだ。どっちが本当の息子かわからないよ。ただ母親の病気は進行してるから相宮と生きているときに会えるかどうか?」

缶コーヒーを買って井本に手渡した。驚いていたが理由が分かったため、受け取った。

「死神の事件しか今は考えてないと思います。殺人鬼の手を止めてから提案してみようと思ってます。荻巡査頑張ってください。」

「有難う。」

雅也は特殊犯罪課に戻った。潤紀はリストを2つ並べている。ホシへの手がかりだ。潤紀は備考欄に養護施設名が書かれているのに気が付いた。森、高円寺、吉崎。コスモスとあった。

「これ、もとに戻ったじゃないのか。居場所がないところにいたってしょうがない。」

和翔は潤紀のリストを盗み見していた。パソコンだけを見るのに飽きてしまったのだろう。何日間も見ているだけ。模倣犯も出で来ないのだ。

「雅也。そのコーヒーをくれ。」

「ダメだ。智穏のものだ。荻さんが買った。」

「荻さんは複雑だよ。刑事じゃないから同じ事件を追うことができないんだから。」

和翔はコーヒーを買いにいた。優唄は静かに席を見ていた。

「死神は総理を殺すといっておきながらなかなか実行しない。準備がまだなのか?」

色々な事情が複雑に絡みあっている。特殊犯罪課の過去の経験がすべてのことにつながってくれる。大切にしているものは一緒。だからやっていけているのだろう。

「総理をうかつに動かすわけがない。一か八かの命のかけさ。」

「あんな人。国民のためなんて思ってないよ。都合のいいようにできれば完璧だ。それを知っているのがこの5人じゃないのか。警察という権力ももってないんだから。」

優唄が熱く語った。智穏は窓に何も映らないほど暗くなってから帰ってきた。雅也は缶コーヒーを渡した。メモを添えて。

「死神はコスモスから1度里親に引き取られて眞白ユリ園へ行き再びコスモスへ行った人物かもしれないと思っている。ただ証拠がない。推測だけではいけないのは一番わかっているはずなのに。」

「潤紀、それで構わない。ホシだと断定していないのだから。これから証拠とかを探そう。」

思いやりの塊の課だ。何件もの事件を解決したとははたから見れば思われないはずだ。それで構わない。5人は心からそう思った。

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