視点
特殊犯罪課は落ち着いている。潤紀は鑑識部屋で機械をいじっている。紫外線を利用して型を映しだす。パソコンに出るのを待つ。扉がノックされた。智穏だった。
「これの結果次第では、コスモスに行くんだろ。その時は言ってくれ。潤紀を育ててくれた人に会ってみたい。駄目か。」
「ダメなわけないだろ。智穏はそういうことを言うんだから。きっと会いたがってくれているはずだから。行くときは必ず声をかけるよ。」
「有難う。もしかしたらあとでな。」
智穏の顔は笑顔であった。潤紀も少し心配に思ってしまう。彼の運命の歯車がここを刺したのは何時であったのか。
雅也は資料室にいた。解決してもまだ此処にいる。未解決事件があるという事実には変わりはないからであるからきてしまう。
和翔の手はパソコンだ。データ探しをしている。優唄は聞き込みから帰ってきていた。智穏と一緒にやっている。
「死神ってなんかビル崩壊さしたり、ロックフェスを荒らしたり。総理を狙っているんなら、政治家を狙って仕掛ければいいのに。」
和翔の見解だった。全国にいる政治家ではなく国民であった。行動と行為がまるで反比例を起こしているように。
潤紀は特殊犯罪課に行った。智穏は退屈そうに見える感じで仕事をしている。課長らしい仕事は5人ともできてしまう。5人で決めたほうがいいことはほっておく。だから、課長なんて名ばかりであるのだ。
「コスモスに行かないとわからないことがあった。」
智穏と潤紀は出て行った。
数分後、荻が来た。巡査になってからは初めてだった。
「捜査一課を仕切っているらしいな。」
「こんな課が仕切ると思うか。任せきりだよ。」
「相宮がいないな。署内にはいるのか。」
3人は首を横に振った。答えるのが面倒くさいらしい。
「あいつ、総理を獲物にするって言ったらしいな。あの出来事から離れることがまだできていないのか。単純な話じゃないからな。」
「あの出来事って?」
和翔が珍しく声を大きく上げた。気になることではある。
「相棒が総理の警備してるときに殺されたんだよ。あいつ、相棒の墓も葬式も出てないんだ。出る立場の人間じゃないってね。相棒の親はきてほしいだけどな。十字架を下してほしくてな。まだ、無理か。下手な行動しだしたら死ぬかもな。自分すら認めてないんだから。」
「そんな過去があったなんて知らなかった。」
「俺らを守るのは義務と思ってやってると思うか?」
「それしかない。大切なものだから。」
智穏の隠された過去の惨劇であった。




