死神のレース
急いで警視庁に戻った。2人ともわかってくれた。負うべき敵に戦えと。特殊犯罪課の扉を開いた。
「死神の状況は?」
「なんだ。来たのか。これでそろったな。和翔、メールはあるか?」
「ないよ。ロックフェスを狙ったのは警備体制があいまいだからじゃないのか。特に緩いとされているところだ。」
優唄はテレビの映像を見た。爆弾の規模がわかるという。
「1つの爆弾はビルの時より弱いから数で勝負というところかな。火薬は潤紀が調べてくれるし。」
「今、メールが来た。」
警察関係者へ
予告していたにも関わらず行動を起こさないとは何事だ。私の計画では総理を殺すことを目標としている。鍵を握っている人間を削除するのはいいことなのか。荒れ狂う波のように炎が燃え上がる姿を見た者は多くいるだろう。総理やその関係者は金の亡者ではないか。国民のためと語る者には死を。神の祈りをささげるという手に負えない環境を。土産としてあげよう。死に怯えることしかできないようにしてやろうではないか。世紀の最悪な犯罪者が世を変えるためにするショーだ。死を見ることで生を知る。楽しいゲームと言ってやろうではないか。 死神
「なんて奴だ。」
「恨んでいるよ。今の自分のことも含めて。殺人が最後で最高な手段なんだ。」
潤紀の言葉は重い。抱えた者しかわからない考えでもあるからだ。
扉が開いた。2人がいた。調べた資料を抱えて。
「貴方の手で、貴方たちの手で。止めてほしい。死神が知るべき世界を一番よく知っている。捜査一課は全力で保護する。」
「わかりました。指示は一課長が出してください。鑑識長も同じく。俺らですべきところはします。5人がリーダーの課をどうぞよろしくお願いします。」
智穏は面を下げた。深かった。署長も知っていることだ。暴れてもいいではないか。
「解決に急ぐ。過去最大の敵を見つけて弱点をつつけ。総理を獲物にしろ。確実に出てくる。死神は愛情を知れぬ者であると考えてよい。潤紀が最もよくわかっているはずだろう。死を教える者は価値をよく知らぬ者だ。いいな。らしく、戦え。」
一課長と鑑識長は聞き入っていた。弱いように見えて影であがいて犯人に切り込むやり方のようでそうではない。弱点ですべての特徴を知る最強のチームであって、窓際なんてくくりをして相手にしないのはいけないと改めて思った。運命を定めと読み直すような団体だ。大切なものを一回思い出させる行動も計画に入っている。
「ホシの気持ちがすべてにつながる。」
特殊犯罪課の課訓であった。




