ホシへの執念
潤紀はいまだ証拠品は何処からでたものかを調べている。あのストラップがカギであることは誰もがわかっていることだった。
4人は特殊犯罪課にいた。証拠不足であることはわかっている。
「潤紀には酷なことをさせているな。犯人探しを身近なところにいるとわかってやっているんだ。俺だったらやれないよ。苦しい思いするのは自分だもん。」
和翔は冷静に言った。冷静すぎる分、冷たく感じることはある。情には流されないところはとてもいい。誰かが機能しなくなっても補う力はもっている。
「優唄だって聞き込みに徹してる。和翔はパソコンで愉快犯探し。俺は優唄の補助だ。5人で仕事がいっぱいだ。」
智穏の見える世界は仲間の思いだらけだ。捜査一課に行っていたらきっと違っただろう。機械のように言うことを聞かされていただろう。
「それだからホシや被害者、遺族に向き合うことができる。俺たちの利点だ。俺も警察に運命を変えられたな。今になってみればその時の俺は笑うだろうな。」
被害者になりホシを探すために生きている雅也は過去の資料を探している。家族はいない。雅也が出かけているうちに両親、弟が殺された。友達と遊びに行っていただけだという。
帰ってくるはずの家族はいない。迎えてくれない。
「その時の刑事と俺、会ってるんだ。謝罪もなく思い出の如く喋っていやがった。それが嫌だった。遺族にとっては思い出じゃない。記憶に焼き付いているんだって。」
その刑事は捜査一課の刑事だった。ホシを見つけてもいない。それから時効なく迷宮入りにされている。
「お前らと組めて最高だよ。好きなことをさせてくれるから。」
雅也の言葉は響きを持っていた。
優唄は手帳を見ている。分析時間だ。ホシを遠くから近くによせる。