同志の本心
目撃者である中村は何処かすっきりした表情をしていた。5人は出ていくのを見守った。
数日後、荻と相宮は会っていた。荻の交番の近くの喫茶店で2人はどこかぎこちなかった。会うべきかと聞かれたらきっと答えるのに困っただろう。
「元気か?あんな形で捜査一課を出ていくことになって。二松に無理言って特殊犯罪課に入ったほうが良かったのか?俺にはよくわからない。」
「お前がもともと仲間思いであるのは知ってた。巡査になって捜査一課を蹴ってまであそこにたどり着いた。窓際のエース部隊とされていて正直羨ましかった。」
2人のコーヒーを啜る音が響いていた。荻は同僚の力を借りたかった。皆の力を合わせる。協力していく姿を遠くで眺めていた。
「捜査一課は目標じゃなかった。今の部署が理想だった。前の一課長は俺をどうしても入れたかった。手柄なんてただの功績と思わなかった。被害者遺族に寄り添える部署を作るといわれてあのメンバーが揃った。」
荻は相宮の気持ちを知った。交番で人に寄り添って定年を迎えるほうがいいと。
喫茶店を出た智穏は青くもなく暗すぎない空を見た。このまま事件を見つめなおす行為ばかりするのかと思った。時効もない事件ばかり。4人の笑顔が思い出した。大切な仲間を守ると。