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  作者: 実嵐
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死神は何処か

和翔のパソコンにフリーメールが入っていた。死神の決意めいた言葉がたくさんあるのだ。佐伯琢磨はどう読むのだろうか。

警察関係者につぐ。佐伯琢磨を総理官邸からもう少ししたら出せ。条件通りSPが付いてくるのは許さない。裏切るとアナウンサーを公開処刑とする。悲しみもわからない総理大臣は人ではないのだ。むしろ警察もつく必要のないくらいの人間だ。金にまみれた屑だと評価している。何時か裁判で裁かれることを祈るだけでは気が済まなくなってしまったのだ。この後、佐伯琢磨を出せ。

                                             死神

「智穏を呼べ。佐伯琢磨を出すぞ。映像も出す用意もできている。」

「わかった。」

雅也は智穏を探した。ベランダにいた。名取と話しているらしい。深い話をしているのは遠目で見てもわかるほどだった。

「智穏、死神が送ってきたから準備を頼む。」

捜査一課も協力してくれている。外でずっと待機している。警視庁の失態は必ず暴かれる。分かっているのだろうか。佐伯琢磨を呼んで官邸の入り口にいた。

「誰だろうね。死神というのは。」

佐伯は棚に上げて他人事のような言葉を吐き出した。屑の極みといわれてもしょうがないだろう。 だって根拠が示されても自分じゃないと言い張る姿が目に映るのだから。

「では、いきましょうかね。国民は貴方を総理大臣と思っていません。前ほどの影響はないんですよ。分かってますか?」

「わかってないさ。あれはマスコミが加工したものだからね。」

マスコミが加工したといった根源は一体どこかから出てくるのだろう。信頼という盾を失った兵士は拳銃をもっているものには簡単に敗れてしまう。いい着衣を着ていないのだから。変なプライドを抱えて戦うには無様なほどだ。何時か誰に肩を叩かれていないと気づかないときだってあるが此処まではないはずだ。いいことばかりを加工しているのは自分自身であると宣言しているみたいだ。佐伯はいつもより遠く離れた黒塗りの車に向かった。

「佐伯琢磨、あんたには死がお似合いだ。人殺し。佐伯海斗を殺したのはお前であることはずっと前から知っていた。」

花壇の影に隠れていたのだろう。覆面をしていてもわかった。

「伊吹だろう。」

捜査一課は一斉に捕まえた。暴れてもいなかった。凶器も持っていなかった。話をするために出てきたのだと思った。

「一課長。俺たちがやりますから連れて行くだけ連れて行ってください。」

「わかっているよ。そうしてもらわないとね。」

佐伯琢磨は迷惑そうに顔をしかめた。これから起こることを知らないから出来る態度だと思った。テレビで生中継をしているとは知らずに。

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