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  作者: 実嵐
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ふざけた奴等

警視庁は足音で揺れてしまいそうなほど騒がしかった。特別、貢献したというのなら意見はないが殺人者を守るのはお人よし以下と思ってしまう。死神からある条件が出てきたのだ。SPは必ず佐伯琢磨のそばにいることは許さないと書いてあった。もうすぐ、死神事件は解決に向かうだろう。

「智穏、佐伯琢磨と戦うことができているのか?」

寒空の下での対話は卓球の素人がしているかのようにうまくはいかない。彼もまた被害者であることは間違えないのだから。

「できているよ。誰が隠蔽をしたかはわかっている。一番最初につられた割には一課長は不正には反対の立場であったはずだよ。だからそこそこ低い地位に居座ることになった。佐伯はとことん都合がよくなちゃいけないんだ。使えると思っているのは養護施設育ちの人間。コスモスとかアジサイではなく、眞白のユリ園だけを選んだ。資金を唯一出してくれたからだ。」

和翔は静かに問いかけることのできない言葉を思い浮かべでは苦いコーヒーで流し込んだ。ただ、生きてほしいと願うだけでつらいのかとも思ってしまう。人生を狂わした相手に対等で争うわけでもないだろう。

「眞白のユリ園は真実がばれたら閉めると宣言をしているみたいだよ。無責任な大人が多すぎると思わないか?せめて、今いる子だけの面倒を見るくらいの行動はするべきだと思うけどな。」

「政治家のグルはそんなもんだ。潰せば責任を取ったと思ってくれると思ってるらしい。同じだろう。辞めたらすべて終わると考えるのは子供じみた考えをもっているとしか思わない。責任とはと瞑想にかけてみるのがいいかもしれないな。自問自答したって考えは変わらないかもしれないが・・・。くだらない事件だと思うよ。」

彼のくだらないは大人としてあるだろう。今の子供のほうがよっぽどいいと。都合や悪事というのはいらない知恵を持つからであろう。高学歴は一体なんのための武器なのだろうか。自慢するための道具。人間性には不必要なものである。相手を見下しているといつか仕返しが来る。助けてもらえないときもあるかもしれない。それは人間が問われるクイズと思う。見返りを求めると見捨てるものが必ず出てくる。正しい判断ができるほどのメモリーがあるか。ないのなら一人になって氷水をかぶるべきだ。被ってもわからない屑とも呼べる奴もいるが・・・。

「とりあえず佐伯琢磨の逮捕にまい進しろ。」

「わかった。伝えるよ。嵐は何時かはやむんだよ。晴れるまで待てれるか我慢比べだね。」

言葉の意味は分かった。何時か来る嵐を待ていられるか晴れるか待っていられるか。人生とはそんな感じだ。

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