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  作者: 実嵐
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上の描いた絵

朝の静けさは一体どこかからやってくるだろう。けれど、静けさは嘘をついてやってきたのかもしれない。ありふれた確信のない心に対応できているのが嫌で仕方がない。雅也は大家に会うことが少ないアパートを出た。中村に本をやる理由を求めてくる人がいるが、果たしてそれは必要なのか?同情してはいけないとかいうけど同情しないとやっていけないのではないか。特別狂った考えではなければ智穏は認めてくれる。誰もが助けを求めて叫び声を上げているのに無視をする人になるのは高慢な行動だと思ってしまう。町中には子供の泣き声や大人の仕事の相談などの声、中高生の声のない声に耳を傾けるのはいけないのか。

「お母さん。おもちゃを買ってよ。」

地団駄を踏む子供を見て思うことがある。素直に生きることができなかった人間なんだと。甘えとかは何処かで忘れざる負えなかったのだから。しょうがないという風に顔を伏せておもちゃをとった。子供が笑顔になった。母親には鏡と曇ったまま見えない鏡がある。泣いている子供も他人がいる前で遠慮なくビンタをする。泣いている子供の意見に傾けないものが多いかもしれない。

「雅也君だね。」

「奥村さんですよね。智穏を救った。」

「大げさことにして覚えてほしくない。特殊犯罪課の人間と話しているから君とも話しておきたいと思ってね。近場だけどモーニングをするとかな。」

奥村はがたいがいいが見せる笑顔は輝く星のようだ。安いモーニングにはトーストとゆで卵がついていた。コーヒーもなかなかいい味を醸し出している。

「雅也君は奥村の事件の被害者か。いい関係をしているから良しとするよ。悪を一生もっていてもむなしいばかりだからね。」

「わかってます。分かっていたから助けたかったんです。ほぼ同じ経験をしているのに加害者だからって見捨てるなんておかしいじゃないですか。帰る場所も作るのは必須でしょうから。」

養護施設も受け入れることはしないだろう。世の中も切り捨てるだけの世は馬鹿らしい。解決するものもしないだろう。

「智穏君はね。親の事件に真底力を入れている。義務だと思いこんでいる。きっと日記にヒントが隠されているのは間違いない。隠蔽工作のパズルをバラバラにすることが大切なんだ。型の後ろに隠しピースがあるとも見ているだろうから。」

「あいつの親は警察が動いていたら死ぬことはなかったんですか?そんな言い方をしているから。」

「大きな確率でね。きっと探っている事件とかは教えたはずだから。近所の人も良く思っていた探偵だ。珍しいよ。」

警察は何をするための組織なのだろうか。身内を守るための下世話な組織なのだろうか。そんなためならいらない。事件にならないと動かないのも税金の捨てるゴミ箱しか思えない。そんなところにいるなんておかしいと思った。

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