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見慣れた風景
少年は暗闇をただ歩いていた。当てがあるというわけでもない。帰る場所がない。
知らない土地かどうかも知らないまま・・・
相宮智穏は窓を見ていた。事件という戦が終わらない日常を見つめているように。
「潤紀、事件の資料は?」
二松潤紀は慌てていない。大したことではないと思っていないはず。
「会議が始まるぞ!」
井本雅也がただただ慌てているが、捜査会議なんて上からの声がないと動けないフリをしている。
大葉和翔もコーヒーを飲んでいる。
櫻野優唄は過去の事件を見ている。
勝手な奴らだ。