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違和感

「松田さん!」


「え?私?なんで⁇何なに⁈」


山本君は私に向かって手招きしながら、自分も少し近づいてきた。私は恐る恐る近寄りつつ、赤面しそうな顔を両手で覆った。

「ごめん、俺山本って言うんだけ・・・」

「あ、大丈夫、知ってる(笑)」

少し拍子抜けした私は思わず食い気味につっこんでしまった。ですよねーと笑いになりなんとなく緊張がとけた。

「変な事聞くけど、松田さんてD組の脇田君と同中だよね⁇てか、仲良かったりする⁇」


え?脇田?ワッキー?そういえばつい最近久しぶりに話したけど、なぜいきなり脇田なんだろう。

そもそも山本君と脇田のつながりが全く見えない。予想外の質問に思考が追いつかず、どう答えようか考えていると改めて質問された。


「ごめん、いきなり意味わかんないよね?俺さ、体育の選択で柔道とってんだ。で、体育は2クラ合同じゃん?んでワッキー、あ、脇田、てか、ワッキーで通じる⁇そう、それでワッキーとは練習でペア組んだりしてたのね。それが、ここ2回ほど休んでてさ。期末にチーム戦やるし、ワッキー柔道部だから一緒に組みたいなと思って勧誘がてらD組行ったらさ、ワッキー学校辞めたって言われたんだよね。」


「えっ?ワッキー高校やめたの?!そんな事誰が言ってたの?だって私おとついワッキーと朝会って久々に話したんだよ?!あの時、私遅刻ギリギリだったからちょっとしか喋んなかったんだけど。あ、そういえばワッキーは1限目移動教室だからゆっくり行くって言ってたっけ・・・」


「そのおとついの1限目がちょうど柔道なんだよね。て事はあの日まで学校来てたって事か?!」


頭が混乱した。脇田は昔から本当に真面目で少し外見に無頓着ではあるが根は明るく決してイジメに遭うようタイプでも無いはずだ。この間だって、久々に話したとは思えないほど自然だったし、特に変わった様子は無かった。


はっとして振り返った。実加子とアイを待たせたままだった。二人は何かに爆笑している。私は二人に向かって謝り、先にご飯を食べてもらうよう伝えた。

二人は一瞬首を傾げて顔を見合わせていたがすぐに手を振って笑いながら校舎に戻って行った。


「あ、ごめんな!大丈夫?」

「うん、全然平気。・・・それよりー」

私は話を聞いて最初に浮かんだ素朴な疑問をぶつけた。


「なんで私が脇田の事知ってるかもって思ったの?」




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