1
ジュリエット、たとえこの先立場が変わろうとも僕たちはずっと友達だよ。くだらない貴族の争いを僕達で終われせよう。
そして、一緒にこの国を、そしてアンを守っていこう。
ジュリー、もし僕が… 僕がいつか道を踏み外す時がきたらその時は…
----------------------------------------
目が覚める。おそらく高いであろうベットから、上体だけを起こし時間を確認する。ああ、時刻は7時15分。
ああ、もうこんな時間か、少し寝すぎたか。
これだと日課の読書はできそうにないな。
彼女は寝ぼけまざしにそう思いながら、起き上がり身支度をした。
ジュリエット・ファン・フォンティーヌはアメリア王国の四大公爵家、フォンティーヌ家の令嬢で、今は王国でも優秀な貴族しかいけないセント・トイルリー魔術学校に入っている。
トイルリー魔術学校は国内でもトップの学校で、優秀な学生を排出している、超名門である。
彼女はそこに在籍し最高学年になったばかりだ。
窓の外に目をやる。陽気な日差しと、美しい木々、小鳥たちがさえずり、湖は太陽に反射しキラキラしている。
非常に春らしい景色がそこには広がっている。
それとは対照的にジュリエットの心はまだ寒く暗い。
彼女は、成績優秀で座学に関しては、いつも学年3位以内にははいり、あのクレイグに一度か2度、いや4回だ、、、
買ったこともあり、実体魔術もまあ、悪くない。というか、かなりいい。
容姿は自分でも言うのあれだが、いいほうだと思う。今まで何度も告白されたし…
まあ、恋愛などしている場合じゃないので全員振ったけど。
太ってはいないし、胸の大きなも…平均だ。
顔はどちらかと言うと童顔だが、自慢の桃色の髪は彼女を、妖美に感じさせる。
背は平均よりすこし低いが、むしろそれは相手に圧迫感を与えず、態度のでかい彼女にとってはちょうどいいぐらいである。
地位はいうまでもない。性格は悪くないと思う。
と自分では思っているが、これが本当なのかはこれからわかることである。
そんな彼女には一つ、致命的な弱点がある。
それは、属性魔術のセンスがからっきしないことだった。
もう17歳になるのにもかかわらず、彼女は自分の属性魔法がまだ覚醒していなかった。
ジュリエットはため息をつきながら、みんなが仲良しだった頃に習ったことを思い出す。