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赤ずきん少女と、いいかげんにしろ桃太郎【4】


 セレアと黒狼の少年は学校へと向けて森を歩いていました。


 その途中の脇道で全身白タイツの妖精が待機していましたが、セレアがバズーカで吹っ飛ばしてお空の星にしてしまいました。


 セレアはぼそりと呟きました。


「脇役にロクな奴がいないわ」


 黒狼の少年は静かに頷いてその言葉に同意しました。


「そうだな」

「言っとくけど、私以外は全員脇役だからね」

「知らないのか? セレア」

「え? 何を?」

「俺とお前はセットだ。赤ずきん少女には必ず狼がセットになって出てくる。それはつまりお昼のランチについてくるコーヒーと同じで、お子様ランチを頼んだら必ずおもちゃがついてくるってことだ」


 セレアはお空を見上げて言いました。


「なんか変に説得力あるけど、物語に関係ないんだったら消してもいいんだからねー!」

「誰と話しているんだ? セレア」

「地の文」

「地の文?」


 しばらく森をずんずんと歩いていると


「あ、無視された」


 セレアは桃太郎と六尺法師に出会いました。


「あ。久しぶりね、あんた達。二人そろってこれからどこへ行くの?」


 桃太郎と六尺法師は声をそろえてセレアに言いました。 


『鬼退治』


「ちょっと待って」


 セレアは眉間に指を当てて二人の言葉を止めました。


「まさかこれから二人で同じ鬼を倒しに行こうとしているんじゃないわよね?」


 桃太郎と六尺法師は互いに顔を見合わせた後、セレアに言いました。


「どうせ同じ鬼退治なら主役級の仲間を誘って二人で倒した方がいいと思ったんだ。六尺法師にきび団子あげたら超好きって言うし」

「携帯食持っている桃太郎は実に素晴らしいと思う。旅にも慣れているようだし、一人で聖剣で戦うよりこっちの方がいいんじゃなかろうかと」


 セレアは叫びました。


「ボスキャラは大事にしてあげて!」


 桃太郎が六尺法師に言います。


「それに鬼退治した後にオレ達がもらう報酬もバラバラだしな」


 六尺法師が頷きます。


「うむ。姫を助けて結婚できればそれでいいし」

「オレは金銀財宝さえ手にできれば──」

「あんたたち、一体何しに鬼退治に行くわけ!?」


 桃太郎が、ふとあることに気付きました。


「あ。そういえば金太郎も鬼退治が目的じゃなかったか?」


 六尺法師が驚きます。


「それはまことか、桃太郎!?」

「よし、さっそく金太郎を探し出して仲間に誘おう」

「さすが桃太郎!」


「いいかげんにしなさいよ、あんた達!」



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