詩 初恋
掲載日:2026/11/08
胸がどきどきする。
今まで感じたことのない鼓動。
何?
あたし、どうしたの?
自分でびっくりする。
思い当たるとしたら、1つしかなかった。
ーあの人と出会ったから。
姿を思い出し、顔が真っ赤になる。
たまたま会っただけなのに、意識してしょうがない。
あ、また胸が苦しい。
あの人に会いたくて、いや会いたくなくて、どっちだよと1人で悶える。
そっと胸に手を乗せると、熱い息を吐く。
これが大人への一歩かと思い、そうかと納得する。
まるでずっと静かだった華が開いたような、そんな素晴らしい気持ち。
「あたし、あの人のこと…」
それ以上は言わず、皆にも内緒だった。
初恋は甘酸っぱいというが、苦しくて苦しくて、自分を制御できない。
自分の心を守ろうと、身体を丸める。
甘酸っぱいどころか、息も上手くできなくて、重苦しい。
どうしよう、これ。
迷いに迷う。
1人で耐えるしかないのか。
告白すればいいのかもしれないが、とんでもない。
相手にすれば、月とスッポンである。
ああ、幸せになりたい。
願うのはそれだけだった。




