不死身ですから
肉片が飛び散る歩道にすたっとライが降り立つ。
「ふ、不死身なので……」
「だから肩外されても平気だったんだ」
「無痛もついてきます」
「便利だ」
肉片を拾い集めてゴミ袋に入れていくライとナギサ。
「そういえば、君今スマホ持ってるよね?」
「はい……」
ライが制服の胸ポケットに手を突っ込む。
すっとスマホが取り出される。
「いや、何。連絡先交換したかっただけだし」
「は?」
口をポカンと開くライ。
「そっちの方が便利だからね」
「はぁ……」
自分のスマホを取り出したナギサが連絡先をライに見せる。
「友達が少ない……。今までの仕事仲間は?」
「死んだよ。悪魔に殺された」
現代悪魔殲滅隊において、死んでいく隊員は非常に多い。
生きているということは、それが強さの証だ。
「後輩はいつから悪魔殲滅隊にいるの?」
上着のポケットから隊員証を取り出すライ。
「新人なので2ヶ月です……」
「……新人さん、いらっしゃい」
◇ ◇ ◇
ある日、上司から突然の呼び出しを食らいました。
かなり強力な悪魔と戦闘した翌日だったので、気怠かったのを覚えています。
その戦闘で仕事仲間を失ったため、新しい仕事仲間を紹介すると言われました。
天使でした。
同僚が言うには、天使は面倒くさいと言われているそうです。
でも、想像していたほど、気まぐれではなさそうです。
今日は首をはねられたのにも関わらず再生していました。
どうやら血を操る能力を持っているようですね。
その後はA+クラスの悪魔を瞬殺していました。
かなり強そうです。S+ほどの悪魔でないと、彼女を苦戦させることはできないでしょうね。
アイスクリームをねだってくるので良心に負けないように注意です。
◇ ◇ ◇
「柳田、西島、目黒。部隊を招集して」
「了解しました!」
廊下を歩きながら、すれ違う人に指示を出していく一人の女性。
「鶴見、車を手配して」
「了解しましたよ!ハルカさんのためなら何でもしますよ!」
「チアル、部隊中の天使を招集して」
「りょ」
その女性の名前は、ハルカという。
現代悪魔殲滅隊隊長で、現場以外の全ての意思決定は彼女が行う。
「天使!集合だよ!」
チアル。部隊の中の天使を統率する。
部隊の天使はすべて彼女の部下で、天使に関する最終の責任者である。
ここは、現代悪魔殲滅隊本部庁舎。
並木の美しい道に突如現れる、鉄筋コンクリートの立方体。
そして、悪魔がよく訪れる場所でもある。
『本部庁舎前にてSクラスの悪魔を確認』
『悪魔の攻撃開始を確認』
総管理室から自動的に放送されるアナウンス。
管理室では、幹部や部隊長たちが前の巨大スクリーンに釘付けになっている。
『堂本麻里、古里和弘、上島奏多、深澤良治、西畑将司の生体反応が確認できませんでした』
『関川俊之、二ノ宮龍三、高橋博史、天木志穂の生体反応が確認できませんでした』
アナウンスが機械音声で何人もの死を伝える。
「ここに向かっている」
ハルカが呟く。
「今なんて?」
チアルがハルカに尋ねる。
ハルカが口を開く。
「3秒でここに来るよ」
「へ?」
空を切る音がした。
チアル、鶴見、そしてその場にいた天使達の腕が切り落とされる。
「腕が……」
「ぎゃあああ!」
反応できたのはハルカだけ。
刀を構えたハルカは、その目で悪魔を睨んだ。




