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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 参 その7

 それでも、勝気なナベアツは何か言い返したい。


 「そんな事ないって。多分オレらもち~ゃんとコンビネーションっちゅうのんしたら、勝てる思うで」


 ヘコまない。

 それがナベアツの良いトコ。

 コーデュロイがナベアツと組んでる理由の、一つでもあった。


 「そうか。そやな。ちゃんとやったらアイツらにも勝てるわな」

 「勝てる勝てる。無駄な殺し合いにならんように、アイツらにもポスで宣言しとこうや」


 ポスで宣言。

 これをしてないと、相手を殺した時にお金が入ってこない。


 「そやな」

 「この辺うろついてたら、絶対また会うやろ」

 「そん時までに、コンビネーションっつうやつを(きた)えとかな、、、」


 ナベアツが立ち上がった。


 「ん?」


 お尻を二度ほどパンパンとはたき、ナベアツが(あご)をしゃくって前方を指した。


 「あれで鍛えよか?」


 明かりの無い信号機の下に、ひらひらスカートを穿()いたシルエットが浮かんでた。

 コーデュロイも確認。

 スカートを穿()いているとはいえ、男か女か解らない。


 いや問題なのは、この時間にこの結界内を一人で歩いていること。

 間違いなく、EG使い。


 「そやな」


 コーデュロイも細いシルエットと、こちらが二人と言う点で少し優位に感じてしまっていた。

 カメラモードにして、スマホを向けた。

 まだ距離がありすぎて、ポスが反応しない。

 コーデュロイはせめてどんな奴なのかを確認したかったが、ナベアツがもうちょっかいを掛け始めていた。


 「は~~~いそこのキミ! お嬢さんでええんかな?」


 ナベアツが声を掛けた。

 が、歩くリズムが全く変わらない。

 つまり、ナベアツの言葉を完全に無視する態度だ。


 「なんや? 何にも言わへんの? バカにしとんのか?」


 ブーツの(かかと)がアスファルトに響く。

 耳に響く音に、少しイライラした。


 「何とか言えや!」


 と叫んだとき、近付いて来るスカートが手に拳銃を持っているのが見えた。


 「は?」


 これは、二人ともだった。

 スッ、、、と右手を前に出す。

 キレイに銃口が自分の方に向いているのが、ナベアツは解った。

 解っても動かない。


 なぜなら、、、

 EG使いに、拳銃の弾は当らない。

 それは結界内(ここ)の、常識なのだから。



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