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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 参 その2

 アイドル顔、見るからに(さわ)やかな男は“ハイドロハイド”。

 能力と属性の説明が()って無かった。


 使った事が無いのか、それとも、使っても管理者も理解出来ない能力なのか、、、。

 掛けられてる賞金は35万円。


 太った方は、“ビッグさん”。

 なんかそのまんまのHNだ。


 能力は、最大30センチ大の火球を飛ばせる。

 属性は、やはり火。

 こちらは42万円の賞金首。


 EG使いたちがこの賞金を気にするのは、これでおおよその力量が計れるからだ。

 どれくらいの力なのか、予想する材料になる。


 「オレらの賞金見た? 見たな。それな、オマエらと同じに考えんなよ」


 ナベアツとコーデュロイが、揃って首を(かし)げた。


 「オマエらはレベルに合わせた狩りをやってる結果がその金額や。でもな、オレらは(ちゃ)う。一千万クラスに行く途中で、まだ知名度が無いから賞金が低いだけの状態や」

 「あぁ~~~?」

 「オマエらのささやかな賞金も、(チリ)()もればなんとやら、一千万クラスになるため、貰うで!」


 勢いよく吐き捨てると、ビッグさんはスグに腰を落とす。

 そして身体を(ひね)りながら、両手を片方の腰の位置に添えた。


 「なめんなよコラあ!」


 ナベアツが上半身を振って戦闘態勢に入る。

 よく見ると、ビッグさんの片側に寄せられた両手は、何か丸いものを持っているかのような形になっている。


 「イチ、ニ!?」


 ビッグさんが、両手を突き出した。

 同時に、気合の声も吐き出される。


 「、、、めぇ、()ッ!」


 火球が、飛んでくる!

 “ニ”まで数えてたナベアツはその火球を見たまま、動けなかった。


 ――ヤバい!


 無意識に、目をぎゅっと閉じて身体が防御の体制を取っていた。

 両腕で頭を(かば)うポーズ。

 全身に力を入れる。

 、、、が、、、?


 ――衝撃が、、、来ない?


 ゆっくり目を開けると、前にコーデュロイが立っていた。


 「あ、、、」


 状況を、瞬時に理解した。

 コーデュロイが全身にEGの炎を(まと)って、自分を(かば)ってくれたのだ。


 「カッコイイ! さすがや!」


 背中越しに、サムズアップを見せたコーデュロイ。

 ナベアツは気合を入れ直した。


 「数えんの、今度は()めんなよ」

 「ああ!」


 頼れる相棒に心強く応え、ナベアツが上半身を左右に振る。

 これが数える前のクセだ。


 ――当ててくれよ


 これは、コーデュロイが願ったこと。

 ビッグさんの火球を受けてみて、分かった。

 アイツは、強い。

 デカい口を叩くだけの事はある。

 そう何発も受けられない、、、。



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