紅朱同赤 参 その2
アイドル顔、見るからに爽やかな男は“ハイドロハイド”。
能力と属性の説明が載って無かった。
使った事が無いのか、それとも、使っても管理者も理解出来ない能力なのか、、、。
掛けられてる賞金は35万円。
太った方は、“ビッグさん”。
なんかそのまんまのHNだ。
能力は、最大30センチ大の火球を飛ばせる。
属性は、やはり火。
こちらは42万円の賞金首。
EG使いたちがこの賞金を気にするのは、これでおおよその力量が計れるからだ。
どれくらいの力なのか、予想する材料になる。
「オレらの賞金見た? 見たな。それな、オマエらと同じに考えんなよ」
ナベアツとコーデュロイが、揃って首を傾げた。
「オマエらはレベルに合わせた狩りをやってる結果がその金額や。でもな、オレらは違う。一千万クラスに行く途中で、まだ知名度が無いから賞金が低いだけの状態や」
「あぁ~~~?」
「オマエらのささやかな賞金も、塵も積もればなんとやら、一千万クラスになるため、貰うで!」
勢いよく吐き捨てると、ビッグさんはスグに腰を落とす。
そして身体を捻りながら、両手を片方の腰の位置に添えた。
「なめんなよコラあ!」
ナベアツが上半身を振って戦闘態勢に入る。
よく見ると、ビッグさんの片側に寄せられた両手は、何か丸いものを持っているかのような形になっている。
「イチ、ニ!?」
ビッグさんが、両手を突き出した。
同時に、気合の声も吐き出される。
「、、、めぇ、波ッ!」
火球が、飛んでくる!
“ニ”まで数えてたナベアツはその火球を見たまま、動けなかった。
――ヤバい!
無意識に、目をぎゅっと閉じて身体が防御の体制を取っていた。
両腕で頭を庇うポーズ。
全身に力を入れる。
、、、が、、、?
――衝撃が、、、来ない?
ゆっくり目を開けると、前にコーデュロイが立っていた。
「あ、、、」
状況を、瞬時に理解した。
コーデュロイが全身にEGの炎を纏って、自分を庇ってくれたのだ。
「カッコイイ! さすがや!」
背中越しに、サムズアップを見せたコーデュロイ。
ナベアツは気合を入れ直した。
「数えんの、今度は止めんなよ」
「ああ!」
頼れる相棒に心強く応え、ナベアツが上半身を左右に振る。
これが数える前のクセだ。
――当ててくれよ
これは、コーデュロイが願ったこと。
ビッグさんの火球を受けてみて、分かった。
アイツは、強い。
デカい口を叩くだけの事はある。
そう何発も受けられない、、、。




