紅朱同赤 参 その1
Tシャツにジーンズの男は、アイドル並みに端正な顔をしていた。
笑顔が優しそうだ。
でも、騙されてはイケナイ。
彼もまた、EG使いだ。
レプリックの伝説版『七つの大罪ソフト』を使って能力者に成ったのなら、間違いなく殺人者だ。
その横に立つ太った男は、これも愛想がイイ。
ニコニコしてるがEG使いなら、同じく殺人者だ。
多少の偏見が入っているとしても、ソフトを使って能力者になったのなら最低でもひとりの人間は殺している。
それが、EG使いになれる条件でもあるからだ。
「惜しい! もうちょい右やったわ」
「なんやオマエら!」
ナベアツが叫んでいた。
「はいはいはい、、、」
太った方が、スマホをイジイジと弄ってる。
スマホのカメラを向けられた。
ポスシステムを立ち上げて、確認しているのだ。
「居ったおった。『イチ、ニィ、サン!』で火ぃ出すダッサいオマエ、ナベアツやな?」
名前を言われ、余計に頭にきたナベアツ。
顔が真っ赤だ。
「なんや~言うてんねん! 答えぇ!」
ハッ! と気づき、コーデュロイがポケットからスマホを出した。
「一緒に居るロン毛、オマエ相方のコーデュロイやな」
先に確認された。
それだけで、少し負けた気がする。
ただ、ポスを見てるって事はあの二人も間違いなくEG使いで、しかも賞金ポスシステムに参加している賞金首。
カメラモードにして、スマホを二人に向けるコーデュロイ。
冷静な対応をする横で、ナベアツはカンカンだ。
「やったら何やねんコラぁあ!」
「翔ちゃん」
太った方が、相棒のアイドル顔に言う。
「3を数えて火が出るアホが30万円で、無駄なロン毛が26万円の賞金首や」
「安っ!」
ナベアツ、怒る。
「何やと! オマエらなんぼやねんコラぁ!」
肩を掴まれた。
強い力。
コーデュロイだ。
ジッと見て来る。
目が合うと、少し冷静になれたナベアツ。
無駄に吠えるのを止めた。
「こっちも出た」
コーデュロイが、スマホの画面をナベアツに見せた。




