紅朱同赤 弐 その4
さて、残る問題は部屋に居る高岡の女だ。
これを何とかしないと、、、。
このまま放っとくと、メンドーの種になる。
殺すのが手っ取り早いが、戦争の後、万が一高岡が生き残った時にこの女が居ないとややこしい事になる。
なので殺すのは、戦争が終わった後で考える事にした。
というわけで、女を最上階へ連れて行く。
ここはサイラーと、三織しか入れないフロアー。
その12階の一室のカギを、佐山は持っている。
これは、三織から貰った“信頼”だ。
『なんかあった時に使え』
と、カギを貰った。
エレベーターから降りてすぐの部屋、そこのカギ。
サイラーには見つかるなよ、と冗談めかして三織から直接貰ったカギ。
今回、使わせて貰おう。
佐山は、女を放り込んで、鍵を閉めた。
これで女に逃げられる心配は無くなった。
もう一度高岡の部屋に戻り、佐山自身が揃えたパソコンその他諸々の設備の前に座る。
先ほどまで、女が座り込んでいた部屋だ。
何故ここに置いてるかと言うと、自分が住んでいる所に置くと狭くなるから。
それだけの理由。
どうせこの一室は奥のベッドしか置いてない部屋で、高岡があの女とヤルだけの部屋。
もったいないってのもあるし、仕事してまっせ感を高岡の目の前で見せるためだ。
匂いはどうしようもないが、我慢するしかない。
窓を全開。
即タバコ。
煙で匂いを上書き。
ちょっと寝て、夕方に起きる。
インスタントコーヒーを飲みながらうだうだしてると、ケータイが鳴った。
ガラケーだ。
結界内の噂通り、CDMA1の電波だとエレクトリック・ゴーストがちょっかいを出して来ない。
EG使いじゃない佐山でも、結界内で問題なく使える。
「オレだ」
素っ気なく応えたガラケーから聞こえたのは、タンクの声だった。
「来ましたよ~。佐山さんの言う通り、ウォーカーズのヤツらが見廻り始めましたわ」
「そうか、、、」
一般人の情報屋を使い、ウォーカーズの一日のスケジュールを聞き出している。
難しくは無かった。
ウォーカーズは、かなりオープンなチームだ。
一般人にはほぼ疑いなく、色々話してくれる。
ありがたかった。
「今どこに居る?」
「言われた通り、恵比寿交差点のとこっス」
「焦らんでええ。見廻りは少のうても一人はEG使いが居る事になっとるからな」
これも、情報屋からの仕入れたモノだ。
「そいつらこれから動物園の外周を見廻るハズやから。なるべく通天閣から離れた時が、、、解ってるな?」
「ハイ~、解かってますとも」
「それまでは気付かれんなよ。離れて、後ろ付けよ」
「解ってますって」
「おう。あと出来たらでええけど、小学校に追い込め。無理はすんな、出来たらで良えからな」
「へいへい」
その会話の後、潜んでいたタンク、ビートイット、近藤の三人は佐山の命令を実行に移した。




