紅朱同赤 弐 その2
こんなチームの中で、唯一スーツを着ている。
高そうなやつだ。
眼鏡も掛けている。
取り敢えずケンカ上等のイケイケチームに似合わない感じが、如何にもナンバーツーっぽいと佐山は思った。
――このポジションやな
自分のような人間が狙うなら、ここだろうと決めた。
実際三織をよく観察していると、サイラーとの力関係が解かる。
実はサイラーを立てているようで、上手く操っていると言った方が正しい。
そして、それを楽しんでる。
捻くれ者の佐山には、それがスグ分かった。
理由は、、、三織も捻くれ者だからだ。
似てる。、、、と思った。
思ったらスグ、三織に取り入った。
「三織さんの欲しいモノ、用意しますよ」
集会で見かけたとき、三織がトイレに行くタイミングを狙って話し掛けた。
「何だそりゃ、、、」
「情報っすよ」
そのワードで、三織は佐山を“使えるヤツ”と認識した。
表向きは下っ端のEG使い、高岡の手駒としてチーム内で活動。
裏で三織のためにチーム内、各グループの動き、考え、またEG使いの能力に偽りは無いか? など、細かく情報を集め三織に報告していた。
信頼は、グンっと上がる。
佐山のポケットマネーが増えて行く。
こっそり、高岡のアニキを見下す。
隠れ蓑にしていた高岡も、今となっては殆ど要らなくなっていた。
――コイツ邪魔だな
その思いは、高岡の女が逃げ出した時から、ハッキリ意識するようになった。
トップのサイラーから直々に指令を受けて、実行準備の大事な時期。
そんな時に油断して、大きなミスを二回もしている。
二回もだ。
一回目は女にスマホをパクられて、姉と会話させてしまってる事。
戦争前の大事な時期に、結界外と連絡を取らせるなんて信じられない。
もし情報が洩れたら?
どこでどうなるかなんて、分ったもんじゃない。
自分ならそこで放り出すか、会話の内容によっては“専門”の所へ売る。
なのに、スグ二回目のミスをする。
女に逃げられてる。
――クソが! コイツ頭なんか湧いとんな!!
ここで出世するには大前提として、サイラーに戦争で勝ってもらわないと困るってのに。
普段と違う事が起こって、それを相手側に知られて、調べられて、戦争を準備している事がバレたらどうなるとか考えないのか?
探せと命令されたが、無視した。
高岡には他にも子分は居る。
そいつらに任せた。




