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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 壱 その3

 佳穂は自分で気付いてないが、現在プチパニック真っ最中。


 「右って、どこを右?!」

 「どこでもええねん! 天満の交差点どこでも右に曲がれ! その辺ビルでごちゃごちゃしとるから、、、あ!」


 佳穂がこけた。

 火の玉がまた、佳穂を襲ったのだ。


 「なかなか当たらんもんやの~」


 先ほどより着弾が近かったので、弾けた路面の欠片が佳穂に当たっていた。

 その場にへたり込む佳穂の足から、血が流れている。

 ()ぜた小石に当たった傷と、こけて()()いた膝。


 涙が出ていた。


 「あ、あたし、、、」


 自分に付いた傷を見て、悲しくなった。

 顔を上げると、EG使いが近づいて来るのが見えた。


 「た、、、助けて、、、」


 モニター越しにその映像を見て、モノアイは思った。


 ――これは、無理だ、、、


 もっと簡単に考えていた。

 カメラで状況を見て、イヤホンで誘導。

 余裕ヨユーと思っていた。

 間違っていた。

 人をひとり、こちらの思い通りに動かす事なんて(むずか)し過ぎる。


 でも今、声を掛けなかったら、この()は死ぬ。

 声を掛けてこの場は逃げれても、次は、、、?


 モノアイは、スマホで電話帳を開いた。


 ――コイツや


 電話帳に載ってるEG使い(知り合い)を、コール。

 同時に冷めた眼で、モニターに映る佳穂を観る。


 「味方は用意したで。辿(たど)り着けるかどうかは、佳穂ちゃん、アンタの()やな」


 モニターには、痛さと恐怖でその場で悲鳴を上げる佳穂が映っていた。

 動けないと分かると、追いかけて来た二人のEG使いはまた、ニヤニヤして走るのを止めた。

 自分たちへの演出か、ゆっくり近づいて来る。

 佳穂の、恐怖を(あお)っている。


 「妹は、どうする?」


 モノアイの声が、佳穂に届いた。

 涙でブレてた、眼の焦点が合った。

 近付いて来る二人。


 ――まだや! まだ、逃げれる!


 悲鳴を上げながら、佳穂は何とか立ち上がった。


 「あ!」


 膝を擦り()いた左足は、上がらなかった。

 前にも出ない。


 ――何で?!


 佳穂の足は、擦り剝いただけではなかったようだ。




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