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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 四の章
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紅朱同赤 壱 その2

 そんなクソみたいなEG使いに佳穂が襲われて、(あせ)る自分が居る。


 「くっそ! 佳穂ちゃん隠れられる場所は、、、?」


 その時、ナベアツがその場で身体を左右に揺らし、止まる。

 気合が入ったのか、数字を数えた。


 「イチ、ニイ、、、」


 コーデュロイが横目で見て、笑った。


 「サン!」


 そこだけ叫んだ。

 叫んだら、ナベアツの胸元50センチ前で渦巻く赤い球体。

 火の球体が生まれる。

 生まれたと思ったら、佳穂に向かって飛んで行く。

 ナベアツが叫んでから火の玉が放たれるまで、実質1秒もない。


 「きゃっ?!」


 佳穂の少し離れた足元で、爆発が起こった。

 小さな爆発だが、女性の足を壊すくらいの威力はある。

 引き()った顔で、飛んできた方向を振り返った。


 「ナベちゃん、ハズレやで」

 「()しかったな~~。ちょい左か、今度は(はず)さんように、、、」


 笑っていた、、、。

 コーデュロイが、ポンポン、とナベアツの肩を叩いて歩き出した。


 「もっと近くから狙った方が()えで」


 先に歩き出したコーデュロイの背を見、ナベアツは笑顔で頷いた。


 「そやな」


 自分に近づいて来る二人の男、足元の黒く焦げた跡を交互に見るしか出来ない佳穂。


 ――アカン、、、わ、、、


 動けない。

 ビビってる。

 何もできない自分に、目の前に迫るEG使いに、ビビってる。


 「何しとんねん! 走って逃げんかい!」


 鼓膜(こまく)が痛いほど大きな声が、佳穂を怒鳴る。


 「走れ!」


 痛みが佳穂を動かした。


 「ああああああああ!」


 声に出して叫んだ。

 自分を鼓舞(こぶ)するために、叫んだ。


 ――逃げやんと!


 進んでいた方向に向き直り、走った。


 「ナベちゃん、こっちも走らな逃げられるで」

 「ホンマや、行こ行こ」


 EG使い二人も、佳穂を目指してゆっくり走り出した。

 モノアイは別モニターに、マップ画面を開く。

 開いて、佳穂の逃げるルートを考える。


 ちなみに、、、

 モノアイは(あせ)ると(ひと)(ごと)が多くなる。


 「東天満曲がったから、、、道が真っ直ぐすぎて、逃げ切れるんか? 天満橋まで行ったら完全に逃げ道無くなるな。その前になんとかせんとアカンけど、(かく)れるとこが、、、しゃーない、佳穂!」


 走ってる耳に、モノアイの声が響く。


 「なななな何?!」

 「右や! 右に曲がれ!」


 走りながらだと、うまく考えられない。

 後ろからは、EG使いが追いかけてくる!



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