紅朱同赤 壱 その2
そんなクソみたいなEG使いに佳穂が襲われて、焦る自分が居る。
「くっそ! 佳穂ちゃん隠れられる場所は、、、?」
その時、ナベアツがその場で身体を左右に揺らし、止まる。
気合が入ったのか、数字を数えた。
「イチ、ニイ、、、」
コーデュロイが横目で見て、笑った。
「サン!」
そこだけ叫んだ。
叫んだら、ナベアツの胸元50センチ前で渦巻く赤い球体。
火の球体が生まれる。
生まれたと思ったら、佳穂に向かって飛んで行く。
ナベアツが叫んでから火の玉が放たれるまで、実質1秒もない。
「きゃっ?!」
佳穂の少し離れた足元で、爆発が起こった。
小さな爆発だが、女性の足を壊すくらいの威力はある。
引き攣った顔で、飛んできた方向を振り返った。
「ナベちゃん、ハズレやで」
「惜しかったな~~。ちょい左か、今度は外さんように、、、」
笑っていた、、、。
コーデュロイが、ポンポン、とナベアツの肩を叩いて歩き出した。
「もっと近くから狙った方が良えで」
先に歩き出したコーデュロイの背を見、ナベアツは笑顔で頷いた。
「そやな」
自分に近づいて来る二人の男、足元の黒く焦げた跡を交互に見るしか出来ない佳穂。
――アカン、、、わ、、、
動けない。
ビビってる。
何もできない自分に、目の前に迫るEG使いに、ビビってる。
「何しとんねん! 走って逃げんかい!」
鼓膜が痛いほど大きな声が、佳穂を怒鳴る。
「走れ!」
痛みが佳穂を動かした。
「ああああああああ!」
声に出して叫んだ。
自分を鼓舞するために、叫んだ。
――逃げやんと!
進んでいた方向に向き直り、走った。
「ナベちゃん、こっちも走らな逃げられるで」
「ホンマや、行こ行こ」
EG使い二人も、佳穂を目指してゆっくり走り出した。
モノアイは別モニターに、マップ画面を開く。
開いて、佳穂の逃げるルートを考える。
ちなみに、、、
モノアイは焦ると独り言が多くなる。
「東天満曲がったから、、、道が真っ直ぐすぎて、逃げ切れるんか? 天満橋まで行ったら完全に逃げ道無くなるな。その前になんとかせんとアカンけど、隠れるとこが、、、しゃーない、佳穂!」
走ってる耳に、モノアイの声が響く。
「なななな何?!」
「右や! 右に曲がれ!」
走りながらだと、うまく考えられない。
後ろからは、EG使いが追いかけてくる!




