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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 陸 その4

 もう一度、右の手を高輪流の髪に伸ばした。


 止まってしまう。

 自分の考えさえ自分の思い通りにはいかない。


 それにちょっとハラが立った。

 意地になった。

 意地になって、手を伸ばした。


 (さわ)った。

 、、、(さわ)れた。


 大した事は、無かった。

 少し硬くなってゴワついた髪を、おでこから耳に流れるように指で()いた。


 ――出来るやん


 ()っすら、笑えた。

 もういちど、指で梳いた。

 そうしたら、よく解らない感覚が胸の奥に沸いた。


 ――感情、、、?


 よく解らないが、梳いて、撫でるたびに苦しくなったり、痛くなったり、そのくせ何度も髪を梳いて撫でたくなる。


 不思議な感覚。

 お爺ちゃんが、教えてくれなかった感覚。


 「(ながる)、、、」


 呼んでみた。

 あの時、呼び捨てでイイよって言ってくれたから。

 あの時、呼べなかった自分が、今この状態なら呼べることにムカついた。


 ――あぁしって、(なん)なんやろ、、、


 解らない。

 そんなムズカシイことは、解らない。

 解らないが、とりあえず助けようと思った。

 このひとだけは、絶対に助けたいと思った。


 高輪流。

 同級生。

 普通に、挨拶してくれる人。

 普通に、話し掛けてくれる人。

 普通に、、、。


 「行って()うね」


 普通に、優しい声が出てた。

 ベッドから離れ、病室を出る。

 後ろ手にドアを閉めたまゆらの足は、結界へと向かう。






 、、、、、、一時間後。


 阪急梅田駅に、まゆらの姿があった。


 そこからJR大阪駅を横手に梅田の交差点を堂々と御堂筋を通り、EG使いとエレクトリック・ゴーストが巣食う結界内に入っていった。



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