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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 陸 その2

 あぁしは、他人(ひと)と上手いこと話されへん。

 目ぇも見れへん。

 コミュニケーションも取れへん。

 イッコの事に集中し過ぎて、よう周りに迷惑を掛けとう。


 あぁしは普通に話しとう時も、気になる事あったらそっちへ意識が行ってまう。

 (なん)かを(しゃべ)っとう途中でも、言葉が止まって、全部(ほう)り出して気になる事に集中してもとう。

 変な子や。


 あぁしは変な子。


 小さい頃からそう言われとった。

 周りから。

 保育園でも、あぁしに話しかけてくれんのは先生らだけ。

 しかも、気ぃ使(つこ)うて。

 一ヵ月もせんうちに、そんな先生も二人になったわ。


 ただ、家では褒められた。

 爺ちゃんだけには、よう褒められた。


 あぁしはマトモに話しも出来(でけ)へんけど、(きょう)は一回見たら頭に入った。

 (なん)でもそうやけど、一回見たら覚えれた。


 そんなあぁしに面白がって、黒門の爺ちゃんが“呪”を教えてくれた。

 呪の()()は、経より簡単やった。


 単純で、経のように含み言葉や繰り返しが少のうて。

 あぁし、めっちゃハマった。 


 あぁしがハマったんは、呪は声にしたらびっくり箱みたいに(なん)かが起こりよるからや。

 呪の言葉が口から出とう時、ていうか調子()えと、出とう途中から風が流れたり寒うなったり水を固めたり、色々出来る。


 経は読みながら意識を高めようけど、呪は意識を高めてから読む。

 自分なりの感覚やけど、そう思っとう。


 だって意識を高めとうとき、呪を()()()()()題目だけでびっくり箱が開くんやもん。

 黒門の爺ちゃんが書いてくれた呪を読むんは、ホンマ楽しかった。

 声に出して読んだら、次は何が起こるんかワクワクしとったし、読む(たんび)に爺ちゃんは大喜びしとう。

 しゃーから、()められへんかった。


 その(あと)すぐ、爺ちゃんがあぁしに『“読む”んやのうて“(とな)える”に変えてみぃ』言うたから()()()()()ら、びっくり箱が開くんがめっちゃ(はや)なった。

 そしたら(むずか)しかった(よっ)つの呪を()()()()()んも、いっぱつで出来るようになっとう。


 園から帰ってくると爺ちゃんの膝の上で、一緒に道場におることが多くなった。

 小三までは、毎日そうやった。

 お爺ちゃんが、これやってみぃって言うたら、何でもすぐ出来た。


 しゃーから、道場に()る人らが呪を唱える時、何でいちいち苦しい顔をしたり、何度もなんども失敗したりする意味が解らんかった。


 、、、解らんかったんは、あぁしが、多分、調子に乗ってたからや。

 だって、一回観たり聴いたりしたら出来とうから。




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