稚知謀大 伍 その14
天王寺の変 三の章 稚知謀大 伍 その14
二人して、笑った。
「なぁなぁ、“式ガチャ”ってどういう意味?」
「あぁ、それな。式ってな、上手い事呼び出せたら、好きなタイプを選べんねん」
「タイプ、、、?」
「せや、波動に刺激を加えて、エレクトリック・ゴーストを何度も呼び出して、気に入らんかったら消して、『コレや!』ってエレクトリック・ゴーストが出たら、それを力で抑え込んで自分の言う通りに使うねん」
「気に入ったんが出るまで、繰り返すってこと?」
「せや」
「確かに、ガチャやな」
言われて、“運”が大きく左右するんだと思った。
そう思ったら、なおも聞きたくなる佳穂。
「全然思ってんのが出えへんかったら、、、?」
「そこはそれ、根気よく続けるか、ある程度で我慢するかはそのEG使い次第やけどな」
あ~、なるほどと納得。
ガチャガチャコレクターって、そう言やぁ欲しいものが出るまで大金注ぎ込む話しをよく聞くよな~と、これまた納得。
幾ら注ぎ込んだかを自慢したりもする。
お金掛かったよ~~って言いたいのかな?
そういやぁスマホゲームでも、『お気に入りのキャラが出るまで課金課金』って言ってた友達を思い出したりした。
――世の中は、ガチャで溢れてるなぁ、、、
佳穂、どこか遠くを見る。
ハッと我に返り、モノアイにまたまた質問。
「みんな、どんなん選ぶん?」
「ま、一般的なんで言うと、ダイレクターは援護、支援とか呪術メインの式を。反対にインダイレクターは術を唱えてる前でしっかり戦ってくれる物理攻撃タイプの式を付けるな」
「な~~~る」
理に適ってると、思わず手を合わせる。
「最近の流行りは、自分の能力とコンボ出来る式を持つヤツが出てき、て、、、な、、、!」
モノアイは悔やんだ。
佳穂は呑気に聞き返す。
「コンボ?」
佳穂との喋りが楽しくて、ついカメラの監視をおざなりにしてしまっていた。
返事のないモノアイに、佳穂も異変を感じた。
「どしたん?」
イヤホン越しに何かしらがあったと感じるほど、モノアイの緊張が佳穂に伝わっていた。
気付いた。
自分たちの話声で聞こえなかったが、立ち止まって耳を澄ますとハッキリ聞こえる。
後方から近づく足音が、、、。
佳穂は振り返った。
「は~い、見つけたで~」
安物の銀色のスーツを着た男と、頭にバンダナを巻いたヒッピー姿の男が友達のように佳穂に向かって手を振って来た。




