稚知謀大 伍 その13
そういう事かと、佳穂は理解する。
「これが、知識と技術と、経験の差や」
イヤホン越しに聞こえる声はエラそうでふんぞり返ってるのが解ったが、確かにその通りだと思った。
「レベルが高いヤツらってのはな、浮遊するEG波を簡単に体内に取り込みよんねん。まるで呼吸するみたいに意識せんと出来よる。そしたら纏う波動が濃くなる。ここで前に書いたメモ見返せよ!」
「えぇ~! ホンマにメモ取らなアカンかった?」
「ウソやウソやw 小さな波動がぶつかり合って引っ付いて意志を持ったら、エレクトリック・ゴーストに成るって言うたんは憶えてるか?」
「それは憶えてる」
「ほんならちょっと想像してみ、濃くなった波動、つまりや、纏った有り余るEG波に、ちょっと刺激加えたったら、エレクトリック・ゴーストに成ると思えへんか?」
机上の空論と言われればそれまでだが、確かに理屈は出来上がっている。
ちなみに、、、
有り余るEG波を式に使わず、自分の能力に“全振り”するタイプが居る。
EG使いの中で、“特化型”と言われてるヤツらのこと、、、。
有名どころで言うと、野田駅の“ジュダイ”。
結界内でダイレクターのナンバー・ワンを目指してる、“バーチャ・アキラ”。
日本橋でモノアイと共存している数少ない使い手の、“火焔魔人”。
それにここ最近、やたらとハデに暴れている“ユキオンナ”。
特にこのユキオンナと言うEG使いは性格が、、、それはまた、別の話し、、、。
佳穂は返事をしなかったが、同意の眼差しをモノアイに送っていた。
イヤホン越しには伝わらないが、きっとどこかのカメラで観ているのだろう。
「こっからEG使いのレベルと性格で、大まかに二つのタイプに分れんねん。自分で式を創れるヤツと、“式ガチャ”しか出来ひんヤツにな、、、」
「式ガチャ?」
「そや」
「ガチャガチャ?」
言葉に合わせて、佳穂の首が二回横に倒れた。
なんとも可愛い。
可愛過ぎて、ツッコみたくなるモノアイ。
「真面目に聞いてる?」
このツッコミは、やはりどこかのカメラで佳穂を補足している。
「聞いてるけど、正直ムズいわぁ、、、」
「難しいな。ほんなら式の話しな」
「続けんのか~~い!」
佳穂は何気に、ちょっとお笑いを入れてくれるモノアイがケッコー好き。
「式を創れるEG使いってのは術式の構築術をちゃんと理解してて、しかも性格的にネチネチしたヤツ(これはモノアイの個人的印象)が多い。俗に言う、陰キャ」
「陰キャって、、、」
「それに対してガチャしか出来ひんのは、もっぱら感覚でEG使いに成ったヤツ等。創造っただけで能力が発揮できてしまうってのを体現してるヤツ等。これが陽キャやな」
「へぇ~、、、」
佳穂、感心。
見事な分類。
そうなったら、聞いとかないとイケナイ疑問が湧く。
「モノアイはどっちなん?」
「オレは、、、」
「おれは、、、?」
「内緒や!」
「ズルっ!」
笑った。




