稚知謀大 伍 その9
表現のオモロイ娘やなと、どんどん佳穂にハマり始める。
「それそれ。僥倖のオッサンがな、一人の敵に向かって『喝!』言うたら、そいつ全身硬直しよんねん」
「へぇ~、、、」
「今度は敵が10人居るとしよ。その10人に向かって『喝!』言うたら、10人全員が全身硬直しよんねん」
「ほほう!」
「解る? 人数関係無いねん。その場所に術が発動すんねん」
「今のんは、何となく解るわ」
「反対にその能力が発動する場所からちょっとでもズレるとな、全く効かへんねん。場所に能力が発動する。コイツの事を“フィールダー”って言うねん」
「また横文字、、、まぁでも、説明解り易かったわ」
「せやろ。説明してるモンがカシコやからのぉ!」
「自分で言うか!」
「ほんだら次にな、、、」
「まだあんの?! 長っ!!」
歩きながら仰け反る佳穂。
爆笑するモノアイ。
どうやら佳穂の動きを、どこかのモニターでしっかり捉えてるようだ。
「EG使いってどうやったら強くなると思う?」
「どうやったら、、、? え? 修行ってこと?」
「わははは。やっぱ佳穂ちゃんオモロイな。EG使いの能力ってな、オレが思うに、アスリートと同じやねん」
「はぁ、、、?」
「何かの技を持ってるとするやろ、単純に火を出すでもええわ。それを鍛えるためには、やっぱ練習やねん。何回も何回もやれば上手く、早よ出せるようになるわ」
「意外と単純」
「せやで。でもいくら早う出せても、弱かったら意味ないやん?」
「せやな」
「その火力を上げよう思たら、佳穂ちゃんが言うた修行やないけど、鍛えなアカンねん」
「それやん。どうやって?」
「仮に佳穂ちゃんがEG使いに成ってもうたとしよ」
「なんでやねん」
「成ったとして、どうやって鍛えたら良えか解らん、やり方も知らん。教科書がある訳でもないし、ましてや教えてくれる師匠的な人が居るわけでもない」
「ま、確かに、、、」
「ほんなら、どうやって鍛える? 何を鍛える?」
「、、、なんやろ」
考えるが、答えに辿り着けない。
「答えは単純、もっと強い火を出すっていう精神力や」
「え? 精神論?」
「すんごい集中力で、精神力を鋭く尖らせて行くんや。絶対に自分の火は強くなる。熱くなる。鉄も溶かす! って感じで、本気で思うねん」
「、、、え~~、、、」
「集中して、集中して、揺るぎない精神力で火を出そうとすんねん」
佳穂、疑心。




