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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 肆 その10

 速水颯太の事件から結界内ではエレクトリック・ゴーストが頻繁(ひんぱん)に現れ、日常生活に支障が出るほどになっている。


 結界内に住居があったり、会社があったり関りのある者たちは判断を迫られている。

 このまま結界内に居るのか、出て行くのか。

 その判断をする前に、知っておかなければならない事がある。


 この結界内における、EG使いについて、、、。


 土地に憑いた使い手として最も有名なのが、弁天町の“京弁天”。


 速水颯太の事件後、いち早く結界内の弁天町にやって来て、その地域の治安を安定させた人物。


 この場合の治安とは、結界の中で(うごめ)くエレクトリック・ゴーストを退(しりぞ)けたり、消滅させたりする事である。


 さらに、混乱に乗じて土地の権利を奪い取ろうとする()()からも守ること。

 この二つが出来てはじめて、治安を守る事になる。

 京弁天がここへ来た真の理由は解らないが、そうする事で弁天町に関りのある者たちは安定して暮らせているし、出て行くにしてもゆとりを持って準備が出来る。


 ありがたかった。


 そういった事が重なるうちに、ちょっとした()()が起きた。


 京弁天がエレクトリック・ゴーストを退治する姿や、半グレらしき集団を見事に追い払う姿を弁天町に住む人たちは、幾度(いくど)となく目撃している。

 共通しているのは、何も言わず不意に去ってしまうこと。


 何も言わない。

 何も要求しない。


 喜ばしい事なのだが、そんな事が何度も繰り返されるうちに、助けられてる方も何もしないのがストレスになってくる。

 町中が、どうしたものかと思案し始める。


 そんな折、、、どうやら京弁天は弁天町駅に一番近い寺院、龍高院に()()()()と噂が立った。


 もちろん確認したが、龍高院の僧侶たちは肯定も否定もしない。

 もうそれが答えなんじゃないのかって事になって、町の人が、特に年配の人から龍高院に“お供え物”が贈られるようになり、京弁天は弁天町を守る“神”として崇められた。


 そんな噂が、EG使いの間でが(ゆが)んで広まる。

 エレクトリック・ゴーストを退治すると、町から金品が貰える。


 そんな、都合の良い噂。


 噂を()に受けたEG使いが勝手に土地に憑き、町に対して金品を要求するようになった。

 (たち)の悪い、ヤクザみたいなものである。


 困った町は、そんなEG使いより強そうなEG使いを見つけて、自分たちの代りにやっつけて貰う。

 やっつけて貰った町は、そのEG使いにお礼をする。

 そしたらEG使いは機嫌が良くり、その土地に憑き始める。

 勝手に憑いたら憑いたで、『もっともっと』と金品を要求する。

 困った町は、そんなEG使いより強そうなEG使いを見つけて、やっつけて貰う。

 お礼をする。

 そしたら、、、。


 これが、繰り返される。


 ここ半年で大分(だいぶ)と落ち着いたが、今問題になってるのは町に関係なく報酬だけ欲しさに先に憑いたEG使いを追い出し、自分がその地位に立とうとする“乗っ取り組”と言われるEG使いが現れて来たこと。


 EG使いの、下剋上時代の幕開けである。


 この天王寺駅周辺を牛耳(ぎゅうじ)るサイラーも乗っ取り組で、なお今も自分の領土を広めようと画策(かくさく)していた。




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