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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 肆 その9

 一番近くに置いてる、佐山に作戦を考えさせた。


 「()いっすよ」


 エラく簡単に返事をされた。

 ちょっと拍子(ひょうし)抜け。


 でもまぁ返事したんだから、佐山に任せる事にして自分は何も考えない事にした。

 考えないようにしても、サイラーに褒められ出世してる自分と、モータルフラワーに殺されてる自分の映像が交互に脳内を駆け巡り、落ち着かせるためタバコの火を自ら押し当てる事を止めれない。

 そこへ、佐山が帰って来た。


 「お疲れっす」

 「おう」


 高山の女が半裸で居るというのに、佐山は気にしない。

 いつもの事だ。

 それに佐山の好みはもっとぽっちゃりだ。


 そんな佐山は、高岡の知らないところで色々動いてる。

 高岡から丸投げされた作戦を、どう進めるかちゃんと考えてる。

 高岡を()()かどうか、そろそろ決め時だとも考えてる。


 サイラーへの報告も、今は佐山がしている。

 サイラーも、いつの間にか高岡より佐山を信頼し始めていた。

 その証拠に、、、


 「これ、貰ったんすよ」


 佐山が、銀色に光る攻撃的なデザインのネックレスのトップを持ち上げ、高岡に見せた。

 イカツイ感じが、何かカッコ良かった。


 「へぇ、、、」


 佐山は続けた。


 「ちょっと嬉しいっス。サイラーさんが、頑張れよってくれたんス」

 「えぇのう。えぇのん貰ったの」


 ここで普通なら、何でオレの手下の佐山に、、、!

 なんて思うところなのだが、今の高岡は死への恐怖で本当に文面通りの感想しか持たなかった。


 「へへ。分かってますよ、俺なんかがアニキの役に立たないって。アニキはヤバい使い手やし、実際めっちゃ強いし。でも、それでも何か手伝える事があるんちゃうかなって。そう思ってた時にサイラーさんから声かけて貰ったんすよ」

 「何て?」


 少し高岡に近づき、小声になる。


 「アニキの、、、高岡の横に付いたってくれって、、、」

 「、、、サイラーさんが、そんな事を、、、」


 みえみえの言葉と、ミエミエのプレゼントに感動する佐山と、その幼稚なやり取りを聞いて感動する高岡。


 二人は、抱き合って泣いた。

 高岡、は心の底から。

 佐山は、、、。


 ――コイツ、もうアカンな、、、


 今の猿芝居が、高岡を判断する佐山の最後の審判だった。

 そんな心の内を、微塵(みじん)も見せない。

 バカな子分を演じ切っている。


 「俺、ホンマ嬉しかったっス。これで堂々とアニキの横に立ってられるって思ったんすよ。マジで。いっぱい世話になってるし、アニキ、恩返しさせて貰いますわ!」


 見事に涙を流して見せた。

 そんな佐山に、高岡はさらに感動する。

 二人の男が、わんわん泣きながら抱き合う。


 その隣の部屋で、半裸の女の()は、高岡の死を(せつ)に願っていた。




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