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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 肆 その8

 どこからとなく『おお~~』と野太い歓声が上がり、歓喜の野次(ヤジ)が飛び交った。

 半分は、その役が自分で無くて良かったという感情だが、それを表に出す者は居なかった。

 もう半分は、アイツに出来るんか? という猜疑心(さいぎしん)


 そんな眼で見られていた高岡本人は?

 肩を叩かれた事それだけで、サイラーが自分を認めていると感動すら覚えた。


 、、、が、これは全てナンバーツーの三織優希(みおりゆうき)が仕込んだ事だとは気付かない。

 気付かないまま、ここ最近何の役にも立たないEG使いと影で噂されている、“10センチの爆弾”こと高岡聡介は命を掛けることになった。


 そして今、、、。


 あの後、詳しい事はナンバーツーの三織優希から聞け、とサイラーに言われたが別に詳しい事なんて何も無い。

 とにかく、通天閣のモータルフラワーを25号線側に(おび)き出し、そこからさらに天王寺側へ引きずり込めと言う、なんとも大雑把(おおざっぱ)な作戦を言われた。


 やり方もクソも無い。

 確か三織は、サイラーのブレイン。

 皆から“参謀”と呼ばれてるのに、、、


 「やれ」


 この一言(ひとこと)で終わった。

 最悪だ。

 三織は高岡に、さらにこう言った。


 「こっちの準備が整ったらGOサインを出すから、それまでに準備しとけ」


 絶望だ。

 完全に、そっち次第じゃないかと()ねる。

 『やります』と返事をしてから、(はや)二週間は過ぎている。

 その間に女が逃げ出したり勝手にスマホを使われたりして、個人的にも大変だった。


 作戦は、、、?

 何も浮かばない。

 浮かべようとも、無理なのだ。

 あの、モータルフラワーを(おび)き出すなんて、無理。


 絶対殺される。

 動物園を抑えて、さらに通天閣周辺も掌握(しょうあく)してるEG使いなんて、自分が(かな)うはずがない。

 殺されるイメージしか浮かばない。


 高岡の頭は、自分の死で埋められていく。

 あの後に一度だけ、サイラーに呼び出された。


 「期待してるぞ」

 と言われた。


 「上手いことモータルフラワーを誘き出したら、10階に住まわしたる」

 と言われた。


 チーム内での、出世だ。

 期待されている。

 でも殺される。

 頭が変になりそうだ。


 だから、なにも浮かばない。

 浮かばないので、高岡は丸投げしてみた。




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