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カ・ル・マ! ~天王寺の変~(改訂版)  作者: 后 陸
天王寺の変 三の章
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稚知謀大 肆 その7

 高岡聡介(そうすけ)は、またタバコに火を()けた。

 ベッドがほとんどの面積を占める部屋は、煙で臭い。


 ここは天王寺駅から徒歩5分、12階建て戸数60のマンション。

 実に好条件の物件だが、もう一般人は住んでいない。

 速水颯太の事件以後、最上階に凶暴なEG使いが住み始めたと噂が立つと、住人は早々に出て行った。


 噂だけでなく、身の危険を感じる程の事件が多発したのが主な原因。

 天王寺に住み着いたEG使いが、良くなかった。


 ()()、サイラーだ。


 商売人どころか、一般家庭にも“お供え物”と言う上納金を要求。

 払わなければ暴力、破壊、どちらもする。

 あっと言う間に、天王寺周辺は住民が居なくなった。


 当たり前だ。

 そんな土地に、誰も住みたくない。

 その誰も住みたくない12階建てマンションの7階に、高岡聡介は居た。

 サイラーにあてがわれた部屋だ。


 チームの(ほとん)どのメンバーは、このマンションに住んでいる。

 サイラーの居る12階から下に、メンバーが住む。

 チーム内で高いポジションに居る奴ほど、高い階層に住んでいる。


 高岡は、7階。

 真ん中より、ちょっと上。

 EG使いとしては、、、かなり低い。

 高岡はその一室で、サイラーに声を掛けられた時の事を思い返していた。


 その日は毎週金曜日にやる、チームの集会だった。

 マンション下の駐車場でやる。

 いつもなら気合がどうのこうのっていう中高生のノリが横行して、騒いで終わるハズなのだが、この時は違った。


 サイラーが『戦争をするぞ』と、ハッキリ全員に、一言ひとこと区切りながら言っていた。

 空気が張り詰めるのを、高岡は全身で感じた。


 ――上へいきたい。もっと上へ、、、


 チャンスだ。

 自分が上に行ける、チャンスが欲しい。

 普段からそう考えて居た高岡の願いが叶ったのか、その日、サイラーからこう言われた。


 「オマエ、やってみるか?」


 驚いた。

 自分の事を、サイラーが知っている事に。

 ビビった。

 やってみるかと言われたのは、通天閣のモータルフラワーを(おび)き出す役目だ。


 多分、死ぬ。


 フツーに考えたら、間違いなく殺される。

 あの通天閣を仕切りながら、動物園も抑えてると言われているモータルフラワーだ。


 「え?」


 反応して顔を上げたら、サイラーと視線が合った。

 、、、もう断れない。


 「やります」


 返事をすると、チームの集会ではまだ“後ろの側の先頭”くらいの位置だったが、そこまでサイラーが来て、言葉を掛け、返事をすると自分の肩をポンポンを叩いてくれた。

 それだけでカンドーした。



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